腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
心の中を読まれているかのように感じた。
きっと私の重荷にならないようにしてくれたのだと思う。
多分、ここでもう一度断れば、美咲くんは優しいから諦めてくれるはず…。
しかし、ここで逃げるのは同じことの繰り返しのような気がして、なんだかそれは嫌だ。
もう逃げるのは止めよう。今すぐ変わろうとしなくたっていい。徐々に頑張っていけば…。
そう思うと、とても気持ちが軽くなった。

「時間かかるけど、それでもよければ…」

「え?本当にいいの?俺、図々しかったよね?」

「そんなことはないよ。とても嬉しかった。ありがとう」

あなたの言葉がなかったら、もう一度頑張ってみようなんて思わなかった。
美咲くんだから。私はもう大丈夫だと思えた。

「え?本当?!よかった…」

「本当だよ。私、自分のペースでもう一度、頑張ってみる」

きっとまた挫折する時も来ると思う。
その時は隣で美咲くんが支えてくれているような気がした。
だからもう大丈夫。これでようやく先輩という呪縛から解かれたような気がした。

「俺は傍で応援してるね」

「ありがとう。色々よろしくお願いします」

なんだかこのことをすぐに先輩に報告したくなった。

「茜、きたよ」

すると、良いタイミングで注文したメニューが運ばれてきた。

「お待たせ致しました、ハンバーグとステーキです」

美味しそう…。なんだか胸のつかえがなくなり安心したのか、お腹が空いてきた。

「食べよっか」

「だな」
< 220 / 360 >

この作品をシェア

pagetop