腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
そんなに必死になることでもない。素直に奢られた方が可愛いと思う。
それでも、誰かに見返りもなく何かをしてもらうことに抵抗感を抱いてしまう。

だから、私は美咲くんに奢ってもらうことに対して、申し訳ない気持ちが大きかった。
そこまで何かをしてもらうようなことはしていない。寧ろ私の方が美咲くんにお礼をしたいくらいの気持ちだ。

だって美咲くんがいたからこそ、また絵を描こうと思えたし、先輩とも仲直りすることができた。
そのことに対してまだお礼ができていないので、今すぐにでもお礼として、二人分のチケットを出したいくらい、美咲くんには感謝している。

「ありがとう。でも、さすがに金額が金額だから、気になっちゃう…」

「うーん…そうだな、それじゃ、代わりに被り物とかのグッズを買ってくれない?」

夢の国にはお土産売り場にキャラクターのグッズがたくさん売られており、ゲートの近くにお店がある。
そのグッズの中には、入場した時に使えるアイテムが多数用意されており、中でも人気なのがカチューシャや帽子などの被り物商品である。
恐らく美咲くんはそのことを言っているのであろう。
それでは採算が合わないが、ただ奢られるよりはマシだ。

「うん、いいよ。私でよければ代わりに買うよ」

「すげー助かる。実は夢の国とはいえども、男が買うのは恥ずかしくてさ…」

つまりこれは交換条件ということになる。
それならば、多少金額に見合ってはいないといえども、少しは納得がいく。
本当はチケット代を支払いたいところが、美咲くんにお願いされてしまうと断れないのであった。
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