腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
そんなに覚えているほど、来たことあるってことかな?
今、一緒に居るのは私のはずなのに、他の人との思い出なんて話さないでほしかった。
私だってここへ来るのは美咲くんが初めてじゃない。元彼と来たことだってある。
それでも今は元カノの話題に触れないでほしかった。

…あれ?でもどうして?友達ならそんなこと思わないはずなのに……。
私は一旦深呼吸をし、気持ちを落ち着かせた。すると胸の奥の黒い塊みたいなものが一気に抜け落ち、この気持ちからは目を背けることができた。
せっかく楽しむと決めたのだから、今は暗い気持ちを忘れるという蘇生術を選択するしかなかった。

「へぇー。そうなんだ。結構詳しいんだね」

「そんなことねーよ。前に来たっていっても、男友達と高校の卒業旅行みたいなので来た以来だし」

意外だった。ってきり前に来た相手は元カノだとばかり思っていた。

「そうだったんだね。私も高校の卒業旅行的なので友達と来たよ。その時は被り物買ったの?」

「買ったよ。あの頃はまだ若かったから、勢いとノリだけで買えたかな。
今はなんかおっさんが若者の真似してはしゃいでるのださいよねとか思われるのが恥ずかしくてだな、周りの視線が気になって買えなくて…」

美咲くんのようなイケメンに対して、おっさんなんて思わないと思う。
それにまだ二十代なので、おっさんではないと思われる。
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