腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「お待たせ致しました、サーモンとアボカドのタルタルです」

シャンパンの次にサラダ系のものが運ばれてきた。所謂、前菜というやつであろう。
フレンチなんて、学校のテーブルマナーでしか食べたことがなかったので、なんだか緊張してしまう…。

「いただきます…」

恐る恐るも食べてみる。馬鹿舌なので味の違いなどよく分からないが、それでもこの料理がいつも食べている料理と格別なことくらい、食べた瞬間、すぐに分かった。

「美味しい……」

思わず口から零れ出てしまった。それぐらい美味しいと思った。

「ビシソワーズです」

次はスープが運ばれてきた。このスープも絶品で、とても美味しかった。

「牛肉の赤ワイン煮込みです」

お肉が運ばれてきた時点で、これがコース料理なのだということに気がついた。
前菜の段階では、まだサラダはよく一番最初に運ばれてくることが多いので、特に気がつかなかったが、次にスープが運ばれてきた段階でおかしいと思った。

そして、ようやくお肉が運ばれてきて確信した。
まさかコース料理をご馳走になるなんて思わなかった。
きっと美咲くんなりの配慮なのであろう。明かせば私に断られると分かっているから。
そこまでしてご馳走したい理由が、私にはよく分からなかった。
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