腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「そっか。流されてくれたらよかったのにね」

流されたらきっと、綾香は大いに面白がるであろう。
それはそれで悪くない気もするが、もう少し様子を見ることにしよう。

「綾香、そろそろ怒るよ?あんまり私で遊ぶの、止めてね」

優しく冗談っぽく言った。本気で怒っているわけではないが、これ以上いじられるのは辛かった。今の自分の気持ちから目を背けてしまいそうで…。

「はーい。この辺にしておきます」

その後、綾香が私をいじることはなかった。
でも綾香がいなかったら、私はまだ迷っていたであろう。美咲くんの告白にも、自分の気持ちにも、目を背けていたと思う。
こんなにも自分の素を出せるのは美咲くんだけじゃない。綾香もその一人だ。
綾香の存在の大きさを実感した。私にとって友達は本当に大切だと。

「今日は遅いからこのまま泊まっていきな。それと私から美咲に茜は家に泊まったから安心してって伝えておくね」

告白の返事もせずに立ち去ってしまったので、その後の渡しの行方を心配しているに違いない。
それになんとなくこうなることを予想していたんだろうなと思う。困った私が綾香を頼ることを。
それを分かった上で、敢えて私に美咲くんに報告することを綾香は伝えてくれた。
私はそれを了承した。ちゃんと私は無事だと伝えてほしいから。
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