腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「私のおすすめは隣の家の腐男子くんかな」

おすすめした後に気づいてしまった。腐男子に腐男子ものをおすすめしてどうする?!

「茜ちゃん、勇者だね。俺に腐男子受けをおすすめするなんて」

美咲くんは笑っていた。笑って許してくれたことに少し安心した。

「ごめん。つい…癖で」

一番恥ずかしいのは腐男子の友達に、腐男子ものを読んでいることがバレたことである…。
穴があったら隠れたい。それぐらい恥ずかしかった。

「別に大丈夫だよ。読んでみよっかな。面白そうだし」

どうやら気に入ってくれたみたいで良かった。
でも、次からは気をつけようと心の中で誓った。

「それに腐男子が腐男子ものを読むって面白くない?絶対に店員さん、二度見してきそうだよね」

完全にこの状況を面白がっている。からかわれても仕方ない。墓穴を掘ってしまったのだから。

「もう勘弁してください。そして、ごめんなさい…」

「大丈夫だってさっきも言っただろ?それに俺も若干、腐男子もの気になってたんだよね」

本当に気になっていたのもあると思うが、どう考えてもこれは完全に美咲くんに気を使わせたことになる。

美咲くんはいつも私が欲しいと思う言葉をくれる。
私が彼に優しくしたいのに、それ以上に彼は私に優しくしてくれる。

今日は私が楽しませてあげたかったのに、私の方が楽しませてもらっているような気がする。
それが悔しいとかではなく、どうしてここまで優しくしてくれるのか不思議で仕方ない。
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