腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
ここから先は割愛させて頂く。通称、狂愛(くるあい)は特設コーナーができるほどの人気作品である。
その特設コーナーを目掛けて、私はまっすぐに進んだ。
遅れて後から美咲くんが私を追いかけてきた。

「美咲くん、あったよ。これだよね?」

私は見つけたこの嬉しさを美咲くんに教えたいと思い、少し大きな声で伝えた。
すると、美咲くんが慌てて私の元へと駆け寄ってきた。

「シーッ。茜ちゃんここお店だから。
あと俺、腐男子だから。あまり目立つのはちょっと…」

そんなに大きな声を出したつもりはなかったが、美咲くんにとっては注目を浴びる行為になってしまったみたいだ。
うっかり忘れていた。美咲くんが腐男子であるということを…。

「ごめん。声が大きくて…」

「いや、もういいよ。だってここにはお仲間しかいないわけだし。
一々、そんなことを気にしている自分の方がバカらしく思えてきたよ」

笑いながらそう言ってくれた美咲くんの表情は、どこか無理をしている様子はなかった。
多少は気を使ってくれたのだと思うが、私には紛れもない本音のように思えた。

「そっか。美咲くんが気にならないなら、それでいいんだ。
でも、これからは声の大きさには気をつけるね」

相手が美咲くんだからではなく、周りの目を気にする大切さを私は美咲くんから学んだ。
これからは気をつけてみようと思う。
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