腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「で、狂愛はどこにあったの?」

そうだ。今は狂愛について話していたところであった。
一旦、この話題については忘れることにした。しかし、このあと、まさか思い出させることになるなんて思いもしなかったが…。

「ここ。ちょうど目の前にあるよ」

美咲くんは分かっていて、わざと私に聞いてくれたのかもしれない。話題を転換してこの場の空気を変えるために。

「本当だ…。すげー特集してもらえて嬉しい」

誰しも自分の好きな作品をこんなにも力を入れて特集してもらえたら嬉しいものだ。
少し安心した。美咲くんの笑顔をまた見ることができて。

「全部で九巻あるのか。とりあえず、五巻まで買おうかな」

全巻買おうか悩んだが、美咲くんが気を使いそうだったので止めておいた。
それに買いすぎると荷物になるので、またの機会にしておこうと思う。

「結構買うね。でも、買ってくれるのはファンとして嬉しい」

美咲くんのことをもっと知りたいからなんて、本人には口が滑っても言えない。

「うん。だって気になったから」

きっとあまりの面白さに、読む手が止まらなくなってしまい、あとで慌てて買いに行くくらいなら、先にある程度買っておけば、暫くの間は読み応えがあって満足するに違いない。
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