腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
しかし、まだ頭の中で引っかかっていることがあった。
何故、あのタイミングであんなことを告げてきたのか、私には美咲くんの意図が全く読めなかった。

「それよりも、茜ちゃん。俺は今、幸せだ…。推しが……目の前に………いる……」

今はせっかく美咲くんが話題を変えてくれたので、このことは一旦忘れることにした。

「そうだね。だって、私達の席の位置にある壁にちょうど理人様がいるよ」

追加注文はできないというアクシデントに見舞われながらも、推しが近くにいるとは、かなりの強運の持ち主である。

「俺、もう全ての運を使い果たしてしまったかもしれない…どうしよう?」

推しが近くにいるというだけで美咲くんはテンパっていた。
そりゃそうだ。私だって逆の立場だったら、同じリアクションをしていたと思う。

「寧ろ推しのパワーにより、運がパワーアップしたかもよ?」

「だといいけどな。あー…推しの近くに座ろうか、それとも目の前に座ろうか悩む」

私達が案内された席は、小さなテーブルが一つに、椅子が二つある席だ。
人数が二人ともなれば、一人用または二人用の席を案内されるのは当然だ。

一先ず、椅子に座りたいのだが、まだ当分座れそうにない。
このままでは埒が明かないので、私が人肌脱ぐことにした。
< 60 / 400 >

この作品をシェア

pagetop