一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
「はっ、あぁっ!」

 真宮さんの指が私の中に入り、水音が響く。

「ああ、あぁっ」

 私は真宮さんの背中にしがみつくようにして抱きついていた。
 イキそうになると、彼は手を止める。
 わかっていてやっているのか、彼はその度にイタズラに笑う。

「真宮さん、もうイきたいっ。挿れてくださいっ」

「小春さん、可愛い」

 チュッとキスをされたその時
「ああっ!!」
 グンッと勢いよく彼と身体が合わさった。

 ギシギシっとベッドの揺れと音が聞こえる。
 彼の腰が動くたびに、私のだらしない声も自然と出てしまう。

「あっ、んんっ!!」

 何も考えられない。

「っ……。小春さんのナカ、ヤバいです」

 苦しそうで、だけどちょっと嬉しそうな真宮さんの声が聞こえる。

「真宮さっ……」

 私は自然と自分から腰を動かしていた。

「はぁっ……。気持ち良すぎてっ、理性が飛びそうです」

 真宮さんは、くっと笑う。
 今の彼の顔、好きだな。苦しそうだけど、気持ち良さそう。

 彼の腰の動きが早くなり
「ああっ」
 私も絶頂を迎えてしまった少し後に、彼も果てたようだった。

「はっ……」

 彼は呼吸を整え、私の隣に横になる。

「ちょっと待っててください。今、飲み物を……」

 彼が上体を起こした。
 ベッドから降りようとしているのが、なぜか寂しくなり
「真宮さんっ」
 彼の手を引き、押し倒していた。

「っ、小春さんっ?」

 彼の下腹部を見るとまだ大きい。

「真宮さん、まだダメです」

「えっ?」

 彼は瞳を大きくさせている。

「逃がさないって言ってくれたじゃないですか?」

 私は彼の上に跨り
「小春さん?」
 驚いている彼を無視して
「あっ……」
 まだ硬い彼の下腹部を自分の中に挿入した。

「っ……。強引ですか?」

 腰を動かし、下になっている彼に問う。

「っ、いや。好きです」

 彼は私の身体を持ち上げ、上位を起こし座位になった。

「ああっ」

 気づいた時には下から突かれ、頭をグイっと押さえられキスをされる。

「んんっ!」

 こんな激しいセックスはじめて。
 彼の肩にギュッと掴まると
「小春さん、好きです」
 身体の動きとは違い、優しい彼の声が耳の中に残った。

………・・・・……・

 シャワーの音がする。
 目を開けると、となりにいるはずの真宮さんがいない。
 そうだ、私。あのまま寝ちゃったのか。
 薄っすらした意識の中、目を開ける。

 すると真宮さんが髪の毛をタオルで拭きながら歩いてきた。

 あれ?真宮さん、あんなに髪の毛短かったっけ?
 それになんだか毛量も少ない気がする。

 目をパチパチさせていると
「小春さん?」
 彼に声をかけられた。これは真宮さんの声。

 だけど目の前にいるのは、別人に見える。
 メガネだってしていないし前髪が長くない。

 髪の毛に邪魔されず、顔がしっかりと見える。
 なにこの夢。ああ、私の理想の人が夢に出てきたんだ。
 こんなイケメンが彼氏だったら、私はもっとおしとやかになれるのかな。

………・・・・……・

 目を開けると、知らない天井が広がっている。
 あれ。ここ、どこだっけ?
 瞬きをして、頭の中を起こす。なんだかすごくフカフカなベッド。

「うーん」

 鉛のように重い身体を反転させ、真横を向いた。
 そこには――。

「おはようございます。小春さん」

 見知らぬイケメンが私の方を見つめている。

「えええええーー!!」

 昨日は飲みすぎて酔って真宮さんに迷惑をかけて、勢いで彼と一夜を共にしてしまったけれど。
 この隣にいるお兄さんは
「昨日の夜、可愛かった。俺、女の子から責められたの初めてだったから、新鮮でした。覚えてますよね?」
 この声、紛れもなくあの真宮さんだ。
 だけどどうして?見た目も雰囲気も全然違う。

「俺、もっと小春さんのことが好きになりました。付き合ってください」

 彼は笑っている。

「どうして素顔を隠してたんですか?」

 最初に出会った時、この前の飲み会から騙されていたの?
 ううん、職場ではあのメガネの真宮さんで過ごしているのかもしれない。

 どうして素顔を隠す必要があるの?
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