一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
お昼休憩時
「葉山さん、結婚するらしいぜ。俺、連絡もらった!」
自席に座ってお弁当を食べていると、男性社員の話し声が聞こえた。
「俺も。どうしよう、行くしかないよな。一応、お世話になったし。てか、この前まで田澤さんと付き合ってたんじゃないのかよ。乗り換え早いな、しかも結婚かよ」
「ああ。でも前から別れたかったらしいぜ。だけど田澤さんが納得してくれなかったとか。強引に別れたら、田澤さんから何をされるかわからないから、機会を伺ってたらしい」
「えっ、田澤さんが?そんな風には見えないけど。見た目じゃわからないもんな」
全部聞こえているんですけど。お弁当の味なんて一切しない。
私は立ち上がり、咳払いをした。
お弁当を洗うふりをして、給湯室へ向かう。
「おいっ、黙れ!」
私の存在に気がついたのか、男性社員たちは足早にその場を去って行く。
ていうか、なんなの!
新か瑠璃さんか知らないけど、変な噂広めて。何をされるかわからないなんて、何もしないわよ。確かに別れる時、怒鳴ったけど。あれくらい普通じゃないの?
別れたくないって私は何度も引き止めたりしていない。
こんな風に噂が広がっていくと考えると気分が悪くなる。
気にしない方がいいんだろうけれど。逆に新が何もしてくれない非協力的な彼氏だったって、広めてあげたいくらい。
社内では良い顔していて、成績も良いからみんなギャップに驚くはず。
はぁ、こんなことしても無駄だ。頭ではわかっているのに。
机の上で考えていると
「小春ちゃん」
今度は女性の声がした。
振り返ると、瑠璃さんがうしろに立っていた。
「この間は偶然会ったからびっくりした。あの男性とは、どんな感じ?挨拶がちゃんとできなくて申し訳なかったなって思って」
挨拶なんてしなくても。
「あの人はただの友達です」
今では友達だったって言えばいいのかな。いや、一夜を過ごしてしまった相手になっちゃった。謎のイケメンだけれど。
「そっか。あのね、他の子も誘ってるんだけど、結婚式を挙げることになったの。小春ちゃんにも来てほしいなって思って」
は?仲が悪い元彼の結婚式に出ろ?しかも浮気相手だった人との?
「ご結婚おめでとうございます。すみません。申し訳ないんですが、出席できません」
どんな顔して結婚式なんて出ろって言うのよ。私はそんなに心が広くない。
「そっか。残念。私、退職する気はないから、これからも仲良くしてね」
瑠璃さんはニコッと口角を上げ
「ずっと前から新さんのことが好きだったの。新さんが私を選んでくれて良かった」
先ほどとは違い、小声でそう伝えられた。
勝ち誇ったかのようなその笑顔に、恐怖すら感じる。
瑠璃さんの今の一言でわかった。
私、新にはかなり前から二股をかけられてたんだ。もっと早く瑠璃さんのことを教えてくれれば良かったのに。
「好きな子ができた」って。そしたら私だって……。
なんだか泣きそう。情緒が不安定なんだ。私は悪いことなんてしていないんだから、堂々としていればいいのに。
新さんが私を選んでくれて良かったって、わざわざ私に言う必要はないよね。ケンカを売ってるの?
「瑠璃先輩、葉山さんをお願いしますね。私も幸せになります」
ギュッと手を握り、大人の対応をしようとした。
「ありがとう。《《何年先になる》》かな。楽しみに待ってるね」
ああ、ピキンと音が鳴った。やっぱり私は大人にはなれない。
「実は好意を寄せてくれる人がいて。とっても素敵な人なんです。葉山さんと別れたばかりだから、お断りしていたんですけど、瑠璃先輩が面倒をみてくれるっていうのであれば、その方と安心してお付き合いできます」
口から出まかせとは、こういうことを言うんだろうな。
「葉山さん、結婚するらしいぜ。俺、連絡もらった!」
自席に座ってお弁当を食べていると、男性社員の話し声が聞こえた。
「俺も。どうしよう、行くしかないよな。一応、お世話になったし。てか、この前まで田澤さんと付き合ってたんじゃないのかよ。乗り換え早いな、しかも結婚かよ」
「ああ。でも前から別れたかったらしいぜ。だけど田澤さんが納得してくれなかったとか。強引に別れたら、田澤さんから何をされるかわからないから、機会を伺ってたらしい」
「えっ、田澤さんが?そんな風には見えないけど。見た目じゃわからないもんな」
全部聞こえているんですけど。お弁当の味なんて一切しない。
私は立ち上がり、咳払いをした。
お弁当を洗うふりをして、給湯室へ向かう。
「おいっ、黙れ!」
私の存在に気がついたのか、男性社員たちは足早にその場を去って行く。
ていうか、なんなの!
新か瑠璃さんか知らないけど、変な噂広めて。何をされるかわからないなんて、何もしないわよ。確かに別れる時、怒鳴ったけど。あれくらい普通じゃないの?
別れたくないって私は何度も引き止めたりしていない。
こんな風に噂が広がっていくと考えると気分が悪くなる。
気にしない方がいいんだろうけれど。逆に新が何もしてくれない非協力的な彼氏だったって、広めてあげたいくらい。
社内では良い顔していて、成績も良いからみんなギャップに驚くはず。
はぁ、こんなことしても無駄だ。頭ではわかっているのに。
机の上で考えていると
「小春ちゃん」
今度は女性の声がした。
振り返ると、瑠璃さんがうしろに立っていた。
「この間は偶然会ったからびっくりした。あの男性とは、どんな感じ?挨拶がちゃんとできなくて申し訳なかったなって思って」
挨拶なんてしなくても。
「あの人はただの友達です」
今では友達だったって言えばいいのかな。いや、一夜を過ごしてしまった相手になっちゃった。謎のイケメンだけれど。
「そっか。あのね、他の子も誘ってるんだけど、結婚式を挙げることになったの。小春ちゃんにも来てほしいなって思って」
は?仲が悪い元彼の結婚式に出ろ?しかも浮気相手だった人との?
「ご結婚おめでとうございます。すみません。申し訳ないんですが、出席できません」
どんな顔して結婚式なんて出ろって言うのよ。私はそんなに心が広くない。
「そっか。残念。私、退職する気はないから、これからも仲良くしてね」
瑠璃さんはニコッと口角を上げ
「ずっと前から新さんのことが好きだったの。新さんが私を選んでくれて良かった」
先ほどとは違い、小声でそう伝えられた。
勝ち誇ったかのようなその笑顔に、恐怖すら感じる。
瑠璃さんの今の一言でわかった。
私、新にはかなり前から二股をかけられてたんだ。もっと早く瑠璃さんのことを教えてくれれば良かったのに。
「好きな子ができた」って。そしたら私だって……。
なんだか泣きそう。情緒が不安定なんだ。私は悪いことなんてしていないんだから、堂々としていればいいのに。
新さんが私を選んでくれて良かったって、わざわざ私に言う必要はないよね。ケンカを売ってるの?
「瑠璃先輩、葉山さんをお願いしますね。私も幸せになります」
ギュッと手を握り、大人の対応をしようとした。
「ありがとう。《《何年先になる》》かな。楽しみに待ってるね」
ああ、ピキンと音が鳴った。やっぱり私は大人にはなれない。
「実は好意を寄せてくれる人がいて。とっても素敵な人なんです。葉山さんと別れたばかりだから、お断りしていたんですけど、瑠璃先輩が面倒をみてくれるっていうのであれば、その方と安心してお付き合いできます」
口から出まかせとは、こういうことを言うんだろうな。