一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
私は部長の指示通りに社内を案内し、最後は元彼の新がいる営業部へ回った。
新がいて「げっ」なんて顔をされたから、こっちもイラっとする。
営業部の説明をしていると
「はじめまして。係長の葉山です。何かご不明な点があれば、おっしゃってください」
図々しく、新が話しかけてきた。
はじめましてじゃないのに。あなたは変装した真宮さんとプライベートで会って、失礼な態度を取っているんだから。今さら株を上げようと思っても無駄なのに。
「田澤さんとご友人であると聞きました。学校が一緒とかなんですか?」
新は私には一切目線を向けずに真宮さんにとびきりの笑顔で話しかけている。どうして小春と知り合いなんだって思っているんだろうな。
「最近知り合ったんです。彼女には、仕事のことで助けてもらって。恩人のような方です」
はいっ?
真宮さんも何を言っているんだろう。私、真宮さんを助けたことなんかないのに。
「そうなんですか」
新も困っている。突っ込みたいけれど、失礼のないようにしなきゃいけないから、距離感が掴めないんだろう。変なことを言って、HOPE製薬の副社長を怒らせたくはないよね。一歩間違えれば降格だ。
案内を一通り終わり、真宮さんは部長と会談があると言って、上司に引き継いだ。
自席に戻り、ブロックしていた真宮さんの連絡先を解除し<すみませんでした>一言謝罪のメッセージを送る。
真宮さんが別れ際に言っていた会社が契約している来客用の駐車場近くで待っていると
「お疲れ様です」
真宮さんが小走りにこちらに向かってくるのが見えた。
「お疲れ様でした」
ペコっと頭を下げると
「車、乗ってください。ここじゃ目に付きますよね。俺は構わないんですが、小春さんに迷惑かけるんじゃないかって」
たしかにその通りだ。HOPE製薬の副社長と二人だけで車に乗っていたところなんて見られてしまったら、次の日社内では大ニュースになる。女性社員はもちろん、上司にも関係を聞かれるかもしれない。
「とりあえず車を走らせますね」
真宮さんが運転するこの車は社用車なんだろうか。
それとも自分の車?高級車であることは、車が詳しくない私にもわかる。
乗っていても音が静かだ。それに、真宮さんの運転も怖くない。
会話をすることなく、ぼーと景色を眺めながら乗っていたら、海の見える大きな公園についた。
駐車場に車を駐め
「夜景、見に行きませんか?」
真宮さんに誘われ、イエスという答えしか私にはなくて、彼のうしろをついて行く。
「寒くないですか?」
「はい」
ベンチに誘導をされ、二人で座る。
「小春さん。ウソをつくつもりじゃなかったんです。だけど結果的にそうなってしまって、すみませんでした」
彼は続けて口を開き
「俺、今は副社長って立場なんですが、うちの会社は歴史がまだ浅くて、上場したのも父親からです。だから勉強のために会社の問題事は俺が動くことが多くて」
私、全然知らなかった。HOPE製薬会社の歴史なんてもっと昔からだと思っていた。今ではテレビCMもやっているし、お店に行けば製品が売っている。真宮さんのお父さんの時代から歴史は動いたんだ。
新がいて「げっ」なんて顔をされたから、こっちもイラっとする。
営業部の説明をしていると
「はじめまして。係長の葉山です。何かご不明な点があれば、おっしゃってください」
図々しく、新が話しかけてきた。
はじめましてじゃないのに。あなたは変装した真宮さんとプライベートで会って、失礼な態度を取っているんだから。今さら株を上げようと思っても無駄なのに。
「田澤さんとご友人であると聞きました。学校が一緒とかなんですか?」
新は私には一切目線を向けずに真宮さんにとびきりの笑顔で話しかけている。どうして小春と知り合いなんだって思っているんだろうな。
「最近知り合ったんです。彼女には、仕事のことで助けてもらって。恩人のような方です」
はいっ?
真宮さんも何を言っているんだろう。私、真宮さんを助けたことなんかないのに。
「そうなんですか」
新も困っている。突っ込みたいけれど、失礼のないようにしなきゃいけないから、距離感が掴めないんだろう。変なことを言って、HOPE製薬の副社長を怒らせたくはないよね。一歩間違えれば降格だ。
案内を一通り終わり、真宮さんは部長と会談があると言って、上司に引き継いだ。
自席に戻り、ブロックしていた真宮さんの連絡先を解除し<すみませんでした>一言謝罪のメッセージを送る。
真宮さんが別れ際に言っていた会社が契約している来客用の駐車場近くで待っていると
「お疲れ様です」
真宮さんが小走りにこちらに向かってくるのが見えた。
「お疲れ様でした」
ペコっと頭を下げると
「車、乗ってください。ここじゃ目に付きますよね。俺は構わないんですが、小春さんに迷惑かけるんじゃないかって」
たしかにその通りだ。HOPE製薬の副社長と二人だけで車に乗っていたところなんて見られてしまったら、次の日社内では大ニュースになる。女性社員はもちろん、上司にも関係を聞かれるかもしれない。
「とりあえず車を走らせますね」
真宮さんが運転するこの車は社用車なんだろうか。
それとも自分の車?高級車であることは、車が詳しくない私にもわかる。
乗っていても音が静かだ。それに、真宮さんの運転も怖くない。
会話をすることなく、ぼーと景色を眺めながら乗っていたら、海の見える大きな公園についた。
駐車場に車を駐め
「夜景、見に行きませんか?」
真宮さんに誘われ、イエスという答えしか私にはなくて、彼のうしろをついて行く。
「寒くないですか?」
「はい」
ベンチに誘導をされ、二人で座る。
「小春さん。ウソをつくつもりじゃなかったんです。だけど結果的にそうなってしまって、すみませんでした」
彼は続けて口を開き
「俺、今は副社長って立場なんですが、うちの会社は歴史がまだ浅くて、上場したのも父親からです。だから勉強のために会社の問題事は俺が動くことが多くて」
私、全然知らなかった。HOPE製薬会社の歴史なんてもっと昔からだと思っていた。今ではテレビCMもやっているし、お店に行けば製品が売っている。真宮さんのお父さんの時代から歴史は動いたんだ。