一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
「彼、仕事が忙しいみたいで」
私が答えると、みんな一声にアハハっと声をあげて笑った。
「いやいや、まだ必死にウソとか。呆れる。ここまでくれば謝っちゃえばいいのに。ま、実際に居たとしても小春ちゃんを選ぶ彼氏なんて相当変わってるよね」
フフっと瑠璃さんはまだ笑っている。
「どうしてそこまで言われなきゃいけないんですか?私のことはバカにしてもらって構いませんけど、彼のことを何も知らないのに、悪く言わないでください」
カチンときた。新のことを自慢したいの?
それとも私のことを嘲笑いたいの?
私のことは悪く言っても何の問題もないけれど、詩音さんの悪口は言わないでほしい。
キッと彼女を睨みつける。
「じゃあ、その彼って人を早く見せてよ。素敵な人なんでしょ?」
「だから忙しいって……」
私が言い返そうとした時――。
「小春さん!すみません。遅くなって」
詩音さんが私の肩に優しく触れた。
「詩音さん……」
何か月も会っていなかったわけじゃないのに、懐かしい感じがする。
シワ一つないスーツはとても清潔感があって、髪の毛も整えられていて大人の男性を思わせる。ふわっと香る、香水の匂いは甘くない。私の好きな匂い。
「この人が小春ちゃんの彼氏?」
みんなジッと見ている。
疑いの眼差しだけど、目の奥は輝いている。容姿に惹かれているんだろう、そんな気がする。
「えっ!あの、HOPE製薬会社の真宮副社長ですか?この間、うちに見学にきた?」
斎藤先輩が驚きの余り、詩音さんに指をさし慌てている。
「みなさん。お疲れ様です。HOPE製薬会社、副社長の真宮です。お世話になっております。今日は彼女の田澤さんをお迎えに来ました」
ニコッと口角をあげ、女性社員の前でペコっとお辞儀をする詩音さんに悲鳴が上がる。騒ぎを聞き、上司まで集まってくる次第だ。
「どうして真宮副社長がこちらに?」
部長まで驚いている。
「すみません。受付の方には許可を得て来たんですが。夜も遅いですし、今日は僕の彼女を迎えに来たんです。プライベートなので、そんなに硬くならないでください」
物腰柔らかに詩音さんは説明している。
「小春ちゃんと付き合っているって本当ですか?」
斎藤先輩は、あの飲み会の時の真宮さんだとは思っていないようだ。
「はい。《《結婚》》を前提にお付き合いをしています。僕の一目惚れなんです」
ええっ、詩音さん!結婚を前提にって聞いてないよ。それにまだ私たちお試しで付き合っているんじゃ。これはみんなには秘密だけど。
瑠璃さんは言葉が出てこないようだ。
そこへ新が来て
「真宮副社長じゃないですか?どうしたんですか?」
一人、会話の内容が遅れている。
となりの瑠璃さんが説明をすると
「えっ、本当ですか?」
新も驚き言葉を失っている。
「葉山さん。小春さんから話は聞いています。ご結婚、おめでとうございます。僕も小春さんに認めてもらえるように頑張りますね」
詩音さんは新に向かって声をかけた。
口角は上がっているけれど、目の奥が笑っていない。いつもの彼じゃないような、どこかで怒っている。そんな雰囲気だ。
「これからも彼女をよろしくお願いします。小春さん、行きましょうか?」
「はい」
私は詩音さんがエスコートしてくれた手をとり、歩き出す。みんな私たちのうしろ姿を見ている。視線が背中に刺さるような気がした。
私が答えると、みんな一声にアハハっと声をあげて笑った。
「いやいや、まだ必死にウソとか。呆れる。ここまでくれば謝っちゃえばいいのに。ま、実際に居たとしても小春ちゃんを選ぶ彼氏なんて相当変わってるよね」
フフっと瑠璃さんはまだ笑っている。
「どうしてそこまで言われなきゃいけないんですか?私のことはバカにしてもらって構いませんけど、彼のことを何も知らないのに、悪く言わないでください」
カチンときた。新のことを自慢したいの?
それとも私のことを嘲笑いたいの?
私のことは悪く言っても何の問題もないけれど、詩音さんの悪口は言わないでほしい。
キッと彼女を睨みつける。
「じゃあ、その彼って人を早く見せてよ。素敵な人なんでしょ?」
「だから忙しいって……」
私が言い返そうとした時――。
「小春さん!すみません。遅くなって」
詩音さんが私の肩に優しく触れた。
「詩音さん……」
何か月も会っていなかったわけじゃないのに、懐かしい感じがする。
シワ一つないスーツはとても清潔感があって、髪の毛も整えられていて大人の男性を思わせる。ふわっと香る、香水の匂いは甘くない。私の好きな匂い。
「この人が小春ちゃんの彼氏?」
みんなジッと見ている。
疑いの眼差しだけど、目の奥は輝いている。容姿に惹かれているんだろう、そんな気がする。
「えっ!あの、HOPE製薬会社の真宮副社長ですか?この間、うちに見学にきた?」
斎藤先輩が驚きの余り、詩音さんに指をさし慌てている。
「みなさん。お疲れ様です。HOPE製薬会社、副社長の真宮です。お世話になっております。今日は彼女の田澤さんをお迎えに来ました」
ニコッと口角をあげ、女性社員の前でペコっとお辞儀をする詩音さんに悲鳴が上がる。騒ぎを聞き、上司まで集まってくる次第だ。
「どうして真宮副社長がこちらに?」
部長まで驚いている。
「すみません。受付の方には許可を得て来たんですが。夜も遅いですし、今日は僕の彼女を迎えに来たんです。プライベートなので、そんなに硬くならないでください」
物腰柔らかに詩音さんは説明している。
「小春ちゃんと付き合っているって本当ですか?」
斎藤先輩は、あの飲み会の時の真宮さんだとは思っていないようだ。
「はい。《《結婚》》を前提にお付き合いをしています。僕の一目惚れなんです」
ええっ、詩音さん!結婚を前提にって聞いてないよ。それにまだ私たちお試しで付き合っているんじゃ。これはみんなには秘密だけど。
瑠璃さんは言葉が出てこないようだ。
そこへ新が来て
「真宮副社長じゃないですか?どうしたんですか?」
一人、会話の内容が遅れている。
となりの瑠璃さんが説明をすると
「えっ、本当ですか?」
新も驚き言葉を失っている。
「葉山さん。小春さんから話は聞いています。ご結婚、おめでとうございます。僕も小春さんに認めてもらえるように頑張りますね」
詩音さんは新に向かって声をかけた。
口角は上がっているけれど、目の奥が笑っていない。いつもの彼じゃないような、どこかで怒っている。そんな雰囲気だ。
「これからも彼女をよろしくお願いします。小春さん、行きましょうか?」
「はい」
私は詩音さんがエスコートしてくれた手をとり、歩き出す。みんな私たちのうしろ姿を見ている。視線が背中に刺さるような気がした。