夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
 ベッドに沈むだけでも不安が込み上げ、渉さんに手を伸ばす。すると、コートを脱いだ彼は覆いかぶさるようにして、私を見下ろした。
 ベッドのスプリングが僅かに軋んだ。

「もう逃がしてやれないよ。いいの?」
「逃げたりしない。渉さんが好きなの。だから……渉さんを感じさせて。離れないで」

 渉さんの少し固い毛先に触れ、髪に指を差し込む。そのまま髪が乱れるのもかまわずに引き寄せると、熱い口づけが落とされた。

 濡れた唇を舌先でなぞられる。それを追うようにして、私も舌先を伸ばして触れると、厚みのある舌が差し込まれた。舌先がからめ捕られ、口腔を丹念に撫でられる。
 深い口づけに、息が次第に上がっていった。

「百香、愛してる」

 口づけの合間、耳元で囁かれる声に背筋が震える。

「この身体に触れていいのは、俺だけだ。いいね?」

 シャツの上を固い指先が滑る。
 早く触ってと懇願すれば、渉さんはシャツのリボンを解いて襟元を寛げた。そうして、私を支えながら衣服を脱がしていく。

 窓から差し込む街の灯りの中、私の白い肌が浮き上がる。
< 126 / 132 >

この作品をシェア

pagetop