夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
 再びベッドに沈んだ身体に口づける渉さんは、時折、私がいることを確認するように名を呼んだ。

 柔らかな胸のふくらみに唇が寄せられる。ぬるりとした下の感触にお腹の奥がきゅんっと熱くなった。だけど、それだけじゃ足りない。
 もっとと強請るように渉さんの頭をかき抱くと、唇が僅かに離れる。

「百香の身体に痕をつけていいのも、俺だけだ」

 その言葉の直後、胸の柔肌に唇が吸い付いた。じりじりとした痺れが走り、嬉しさと恥ずかしさでどうにかなりそうだった。

 渉さんの指と唇が触れた箇所が熱をもっていく。
 手首に残る忌まわしい痕すら、愛おしむように触れてくれた。それでいて、毒を吸いだそうとするように強く口づけ、新しい印を刻んでいく。

 全身が甘い痺れで満たされた頃、渉さんの名を呼ぶのも絶え絶えになりながら、熱で痺れている花芯の奥に彼の全てを迎え入れた。
 ズキズキとした小さな痛みさえも、満たされる感覚で愛おしくなる。

「渉さん……大丈夫だから」

 もっと側に。このまま離れないで。
 譫言のようにもっと激しくしてと懇願すれば、感じたことのない熱量が体の奥を圧迫した。
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