夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
 私を呼ぶ渉さんの熱い吐息が、私の心と体を震わせる。

「百香、愛してる」

 繰り返される睦言と一緒に、身体の奥まで渉さんで満たされる。幸せに体が支配されていく充足感に浸りながら、逞しい腕の中で「私も」と呟けば、深い口づけで「愛している」という言葉は飲み込まれていった。
 

 深い眠りから覚めた早朝。
 ぼんやりとしながら手を伸ばすと、そこに渉さんの姿はなく、シーツもすっかり冷たくなっていた。
 とたんに寂しさがこみ上げた。

 リビングにいるのだろうか。今、何時なんだろう。
 渉さんを探そうと体を起こそうにも、身体がとてつもなく気怠い。腰も痛くて重いし、できることならこのままもうひと眠りしたいくらいだ。

 それに、昨日脱がされた服が見当たらない。このまま一糸まとわぬ姿で、バスルーム横の衣裳部屋まで行くのは恥ずかしすぎる。

 カーテンの隙間から差し込む朝日に照らされた白い肌を見て、昨夜のことが脳裏にまざまざと蘇る。
 私から求めたとだけど、あんな全身にいっぱいのキスをされるとは思っていなかった。

 毛布をそっと捲り、胸やお腹、内腿、いたる所に残るキスマークに顔が熱くなる。
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