夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「じゃあ、そこにしようか。ここから近い?」
「ここからだとそう遠くないかと……」

 スマホを取り出して、予約状況を確認すると一時間後なら席が空いていた。

「席の予約とっちゃいますね」
「ありがとう。予約が取れたら、店の住所見せて」

 交差点の信号で止まったタイミングで、スマホの予約画面を見せると、アクセス画面を確認した渉さんは「ここからだと三十分くらいかな」といいながら頷いた。

 それから渋滞に捕まることもなく、スムーズに店の側までやってきた。
 パーキングに車を停めると、渉さんは腕時計をちらっと見た。

「予約時間まで少しあるね。なにか買い物とかあるなら寄ろうか?」
「えっと、じゃあ、その前に……ハンカチ、お返しします」

 ずっと手に握っていた小さな紙袋を渉さんに突き出した。

「わざわざ袋になんていれなくても……ん?」

 紙袋を受け取った渉さんは、中を見て首を傾げた。そうして、ハンカチと一緒に入っている包みを取り出した。

「これは?」
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