夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
 繋がれた手が恥ずかしいやら、嬉しいやらで耳まで熱くなった。

「お腹いっぱいでパフェ、食べられるかな」
「二人で食べれば大丈夫ないかな。それでも心配なら、少し散歩でもしようか?」
「……散歩?」
「久しぶりに横浜の海を見に行くのもいいかと思ってさ」

 どうかなって誘う渉さんは、私の手を引いて歩き出す。
 ふと高校の時、渉さんに赤レンガ倉庫まで連れていってもらったことを思い出した。
 あれは、大学見学をした後、ついでに横浜散策をしていったらいいって、案内してくれたんだった。

 渉さんは覚えているかな。
 横顔をそっと見上げると、タイミングを同じくして、渉さんが私を見た。

「覚えてるかな。百香ちゃんが大学見学に来た時のこと」

 同じことを思い出してくれていたことに、胸の奥が温かくなる。

「……高二の時ですよね。横浜駅で迷子になって、渉さんに助けてって連絡して」
「ははっ、覚えてたか」
「覚えてますよ。あれはちょっとした黒歴史です……」

 人混みと乗り換えにパニックになって、泣き出したくなったのを覚えている。
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