夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
 今日はデートだって思っていいんだよねと、素直に尋ねるほど強気にはなれない。だから、期待してる気持ちをのせて、繋がれた手を少しだけ強く握りしめてみた。
 きゅっと握り返された。
 同じ気持ちでいるって、錯覚していいのかな。

「百香ちゃんを連れていきたかった店、まだあるかな……」
「美味しいパフェのお店?」
「そう。チョコレート専門店なんだけどね。百香ちゃん、チョコ好きだったでしょ?」
「チョコ……もしかして、ハンマーヘッドにあるお店ですか?」

 海辺のテラス席が素敵なお店で、オリジナルのチョコレートを販売しているんだけど、あそこって八個入りが四千円もするようなお店だったような。
 私が首を傾げると、渉さんは少し困った顔をした。もしかしなくても、当たりみたい。

「あれ、知ってた? マジか……」
「一度だけ、友達にオススメされて行ったことあるんだけど、どれも高くて気後れしちゃったお店です」
「ははっ、板チョコでも八百円くらいしたよね」
「スーパーで買うチョコとは違うんだろうけど、ご褒美でもない限り買えないかな」
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