夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「贈り物にはよさそうだけどね。──そうか、知ってたか」

 心底残念そうにいわれると、知らないふりをしていた方がよかったんじゃないかって気になってきた。

「で、でも! あそこのパフェは食べたことないですよ。ケーキも高かったし」
「じゃあ、食べに行こうか。でも、次は百香ちゃんの知らない店を見つけないとな」

 次という言葉に頬が熱くなった。それってまた、こうして会ってくれるってことだよね。
 嬉しさで返答に困っていると、丁度、パーキングが見えてきた。

「まずは桜木町まで出ないとだな」
「あ、あの! 女神橋にもいってみませんか?」

 女神橋は渉さんが渡米した後にできたから、きっと知らないだろうと思って提案したら、渉さんはきょとんとした。その表情が想像以上に可愛らしくて、胸の奥がきゅんっと締め付けられてしまった。

「女神橋?」
「海辺にできた橋で、ハンマーヘッドに繋がってるんです。そこから見る夜景が凄く綺麗なんですよ」

 高校の頃はいつも勉強を教えてもらってばかりだった私が、渉さんに教える。それが、ほんの少し優越感に繋がって口元が緩んだ。
 信号が変わる横断歩道を渡り切った時だった。
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