夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
じわじわと恐怖が込み上げ、震える指をカウンターに置いてあるスマホへと伸ばした。そうして、急いでメッセージアプリを開く。
フリック操作をする指が思い通りに動かない。それでもなんとか「あの男がバーに来た。どうしよう」と短い文を入れて、渉さんへと送った。
すると、すぐに既読がついて「そこから動かないで。すぐに行く」と端的な返事が届いた。
ここから渉さんの事務所までは十分程度。まだ仕事をしていたとしたら、切り上げてからどのくらい時間がかかるのか。
動かないでといわれても、あの男がいると思うと、今すぐここから逃げ出したくなった。
スマホのディスプレイを睨むようにしていると、真奈さんが声をかけてきた。
「百香ちゃん、今夜はそろそろ帰る?」
「──え?」
少し顔を寄せて声をひそめた真奈さんは「大丈夫?」と小さく尋ねた。きっと、あの男のことを真奈さんも覚えているんだろう。
トラブルがまた起きたら、店にも迷惑かけちゃうよね。
「……あの、渉さんがこっちに来るって」
「先生がお迎えに来るのね。だったら、待っていた方がいいわ」
おずおずと答えた私を見て、真奈さんは少し安心した顔をした。
フリック操作をする指が思い通りに動かない。それでもなんとか「あの男がバーに来た。どうしよう」と短い文を入れて、渉さんへと送った。
すると、すぐに既読がついて「そこから動かないで。すぐに行く」と端的な返事が届いた。
ここから渉さんの事務所までは十分程度。まだ仕事をしていたとしたら、切り上げてからどのくらい時間がかかるのか。
動かないでといわれても、あの男がいると思うと、今すぐここから逃げ出したくなった。
スマホのディスプレイを睨むようにしていると、真奈さんが声をかけてきた。
「百香ちゃん、今夜はそろそろ帰る?」
「──え?」
少し顔を寄せて声をひそめた真奈さんは「大丈夫?」と小さく尋ねた。きっと、あの男のことを真奈さんも覚えているんだろう。
トラブルがまた起きたら、店にも迷惑かけちゃうよね。
「……あの、渉さんがこっちに来るって」
「先生がお迎えに来るのね。だったら、待っていた方がいいわ」
おずおずと答えた私を見て、真奈さんは少し安心した顔をした。