夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
酔っぱらって絡んできた日、男は真奈さんを口説こうとしていた。それを考えたら、むしろ真奈さんに付き纏っている方が、筋道が通っているように思える。
そんな筋道、通されても困るんだけど。
不安に手を握り締めると、渉さんは眉をひそめて溜息をついた。
「マスターの可能性も否めないが……わざわざ、同じ飲み物を頼むっていうのは、百香ちゃんに対する『見ているぞ』って警告の可能性もある」
「……見ているって、なにそれ」
「可愛さ余って憎さ百倍っていうだろう。その逆で、憎い相手を監視するうちにどうにか思い通りにしてやろうって、歪んだ思考になるケースがあるんだ」
「監視って……」
渉さんの言葉に、じわじわと恐怖が込み上げてきた。
そんな気配を感じたことなんて、今まで一度だって──ハッとした。思い出したのは、店にかかってくるようになった無言電話だ。
私以外が電話に出ると、すぐに切られるらしい。だけど、どういうわけか私が出た時には、しばらく繋がったままだった。
受話器の向こうから、わずかに聞こえてきた息遣いが耳に蘇る。
「百香ちゃん? ごめん、怖がらせるつもりじゃ」
「無言電話……」
そんな筋道、通されても困るんだけど。
不安に手を握り締めると、渉さんは眉をひそめて溜息をついた。
「マスターの可能性も否めないが……わざわざ、同じ飲み物を頼むっていうのは、百香ちゃんに対する『見ているぞ』って警告の可能性もある」
「……見ているって、なにそれ」
「可愛さ余って憎さ百倍っていうだろう。その逆で、憎い相手を監視するうちにどうにか思い通りにしてやろうって、歪んだ思考になるケースがあるんだ」
「監視って……」
渉さんの言葉に、じわじわと恐怖が込み上げてきた。
そんな気配を感じたことなんて、今まで一度だって──ハッとした。思い出したのは、店にかかってくるようになった無言電話だ。
私以外が電話に出ると、すぐに切られるらしい。だけど、どういうわけか私が出た時には、しばらく繋がったままだった。
受話器の向こうから、わずかに聞こえてきた息遣いが耳に蘇る。
「百香ちゃん? ごめん、怖がらせるつもりじゃ」
「無言電話……」