夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「……無言電話?」
「店にかかってくるんです。まるで、様子を窺うような感じで」
いいながら声が震え、カップの中でハーブティーが小刻みに揺れた。
思い出せば、無言電話はあの男と出会ってから店にかっかてくるようになった。それまで、間違い電話だって珍しかったのに。
もしかして、私の行動を探っているの?
今日、バーに現れたのは偶然なんかじゃなくて、私をつけて──考えるにつれ、恐怖が色濃くなってゆく。
カップを強く握っていた手に渉さんの指が触れ、カップをそっと取り上げる。そうして、私を腕の中に引き入れるとしっかりと抱きしめてくれた。
「百香ちゃん、落ち着いて」
「……どうして。あの日、私はただ迷惑行為を止めたかっただけで」
バーで見た男の姿が脳裏に浮かぶ。
あの時、私を見てなにを思っていたのか。このまま放置していたらどうなるのか。
感じたこともない恐怖に心拍数が上がる。
渉さんに縋りついたまま思考を乱し、込み上げる恐怖に飲み込まれそうになった時だった。渉さんが耳元で「落ち着いて」ともう一度囁いた。
「今、心を乱されたら男の思うつぼだ」
「店にかかってくるんです。まるで、様子を窺うような感じで」
いいながら声が震え、カップの中でハーブティーが小刻みに揺れた。
思い出せば、無言電話はあの男と出会ってから店にかっかてくるようになった。それまで、間違い電話だって珍しかったのに。
もしかして、私の行動を探っているの?
今日、バーに現れたのは偶然なんかじゃなくて、私をつけて──考えるにつれ、恐怖が色濃くなってゆく。
カップを強く握っていた手に渉さんの指が触れ、カップをそっと取り上げる。そうして、私を腕の中に引き入れるとしっかりと抱きしめてくれた。
「百香ちゃん、落ち着いて」
「……どうして。あの日、私はただ迷惑行為を止めたかっただけで」
バーで見た男の姿が脳裏に浮かぶ。
あの時、私を見てなにを思っていたのか。このまま放置していたらどうなるのか。
感じたこともない恐怖に心拍数が上がる。
渉さんに縋りついたまま思考を乱し、込み上げる恐怖に飲み込まれそうになった時だった。渉さんが耳元で「落ち着いて」ともう一度囁いた。
「今、心を乱されたら男の思うつぼだ」