夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「そんな怯えた顔しないで。別になにもしないし、嫌なら俺はソファーでもかまわないし」

 いいながら、渉さんは鞄からノートパソコンを取り出した。

「少し片付けたい仕事もあるから、百香ちゃんは先に寝ててくれていいよ」

 カーペットの腰を下ろし、ローテーブルの上でノートパソコンを開いた渉さんは、冷めたハーブティーを飲むと「冷めちゃったね」といって苦笑した。

「淹れ直しますね」
「そんないいよ。百香ちゃんはゆっくり休んで。疲れただろうし」
「淹れ直します!……その、なにかしてないと落ち着かないというか」

 渉さんの言葉を遮った声が思いの外大きくなり、恥ずかしさに頬が熱くなった。慌てるように立ち上がり、テーブルの上のカップに手を伸ばした。

「キッチン借りますね」
「じゃあ、お願いしようかな」

 私の気持ちを察してくれたのかもしれない。渉さんは朗らかな笑みを浮かべて、持っていたカップを私に差し出した。
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