夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
恐怖で言葉が出てこなかった。
エレベーターに乗りながら、もしもドアの向こうに男がいたらどうしようと、不安が脳内を埋め尽くしてゆく。
悲しいけど、三階なんてすぐ着いてしまう。
不安のまま渉さんに支えられて足を踏み出し、そこに男の影がないことを震えながら確認する。
「大丈夫だ。部屋は308だったね?」
「……こっちです」
廊下を進んで部屋に近づき、すぐに違和感を覚えた。見覚えのないものが、玄関のドアノブにかかっている。
足がすくんで立ち止まると、渉さんが「百香ちゃん?」と心配そうに私を呼んだ。
「あ、あれ……なんだろう。紙袋?」
息を呑み、誰が持ってきたのかとっさに考えた。
近所付き合いなんてない。友達が遊びに来ることはあるけど、もしそうなら連絡くらい入れるはずだ。
慌てて開いたスマホだけど、届いていたメッセージは桃田店長からの「事務所で待っているよ」という返信だけだった。
渉さんが一歩踏み出す。その背に隠れるようにして私も重い足を前へと出した。
赤と緑のチェック柄をした紙袋が下がるドアノブは、間違いなく私の部屋だった。
隣の部屋だったらよかったのに。
エレベーターに乗りながら、もしもドアの向こうに男がいたらどうしようと、不安が脳内を埋め尽くしてゆく。
悲しいけど、三階なんてすぐ着いてしまう。
不安のまま渉さんに支えられて足を踏み出し、そこに男の影がないことを震えながら確認する。
「大丈夫だ。部屋は308だったね?」
「……こっちです」
廊下を進んで部屋に近づき、すぐに違和感を覚えた。見覚えのないものが、玄関のドアノブにかかっている。
足がすくんで立ち止まると、渉さんが「百香ちゃん?」と心配そうに私を呼んだ。
「あ、あれ……なんだろう。紙袋?」
息を呑み、誰が持ってきたのかとっさに考えた。
近所付き合いなんてない。友達が遊びに来ることはあるけど、もしそうなら連絡くらい入れるはずだ。
慌てて開いたスマホだけど、届いていたメッセージは桃田店長からの「事務所で待っているよ」という返信だけだった。
渉さんが一歩踏み出す。その背に隠れるようにして私も重い足を前へと出した。
赤と緑のチェック柄をした紙袋が下がるドアノブは、間違いなく私の部屋だった。
隣の部屋だったらよかったのに。