夜明けが世界を染めるころ
そして、何より驚かされたのは剣術の腕前だった。
木剣を手にした彼女の剣さばきは、鋭く正確で、身のこなしも軽やかだった。
正直、同年代の騎士どころか、訓練を積んだ大人の剣士にも引けを取らないほどの実力だ。
手合わせをすることになったが、結果はあっさり敗北。
まさか、自分より年下で、こんなに細い腕の少女に負けるとは――。
ユウリは剣術を学んできて、弱いわけではないと思っていた。
むしろ、自分の腕には自信すらあった。
それが、ティアナお嬢様の前ではあっさりと覆されてしまったのだ。
「ユウリ、強いねー!」
「いや、あの……あっさり負けてしまったのですが」
「だって、ユウリは私の実力知らないから手加減してたでしょ?だからだよ」
そうフォローしてくれるティアナお嬢様に、胸の奥が少しチクリとする。
悔しい気持ちと、同時にこの子の凄さを改めて思い知らされる瞬間だった。
(もっと剣術、一生懸命やろう……)
ユウリは自然に拳を握りしめる。
4日目、執事業務を終えて自室に戻る途中、ナタリーさんに声をかけられた。
「ユウリさん、お疲れ様です」
「お疲れ様でした」
少し息を整えながら答える。
「お嬢様のことで少しよろしいですか?」
「はい」
ナタリーさんの自室に通され、丁寧に紅茶を淹れてくれた。
湯気の立つカップを前に、少しだけ気持ちが落ち着く。
「お嬢様は、どうですか?」
穏やかに微笑むナタリーさんの瞳には、深い理解と信頼が宿っている。
「えっと……」
少し考えてから、正直な気持ちを口にする。
「正直、私の想像していたご令嬢とは全く違っていました。
破天荒でパワフルで、でもとても一生懸命な方です。
他の使用人に対しても、私に対しても気を遣ってくださる、素敵な方だと思います」
ナタリーさんは微笑み、少しだけ目を細めた。
「そうですか、そう感じてくれて私も嬉しいわ。
ただね、涼しい顔をして何なくこなしているように見えるけれど、そうじゃないのよ」
その言葉に、ユウリはハッとした。
一見順調そうに見える裏で、ティアナお嬢様がどれほど努力しているか――まだまだ知らないことがあるのだと実感する。
「あら、だいぶ話をしてしまったわね。
少し、ついてきてくれる?」
ナタリーさんの後について行くと、図書室に到着した。
まだ灯りがついている。
もう遅い時間のはずなのに…
木剣を手にした彼女の剣さばきは、鋭く正確で、身のこなしも軽やかだった。
正直、同年代の騎士どころか、訓練を積んだ大人の剣士にも引けを取らないほどの実力だ。
手合わせをすることになったが、結果はあっさり敗北。
まさか、自分より年下で、こんなに細い腕の少女に負けるとは――。
ユウリは剣術を学んできて、弱いわけではないと思っていた。
むしろ、自分の腕には自信すらあった。
それが、ティアナお嬢様の前ではあっさりと覆されてしまったのだ。
「ユウリ、強いねー!」
「いや、あの……あっさり負けてしまったのですが」
「だって、ユウリは私の実力知らないから手加減してたでしょ?だからだよ」
そうフォローしてくれるティアナお嬢様に、胸の奥が少しチクリとする。
悔しい気持ちと、同時にこの子の凄さを改めて思い知らされる瞬間だった。
(もっと剣術、一生懸命やろう……)
ユウリは自然に拳を握りしめる。
4日目、執事業務を終えて自室に戻る途中、ナタリーさんに声をかけられた。
「ユウリさん、お疲れ様です」
「お疲れ様でした」
少し息を整えながら答える。
「お嬢様のことで少しよろしいですか?」
「はい」
ナタリーさんの自室に通され、丁寧に紅茶を淹れてくれた。
湯気の立つカップを前に、少しだけ気持ちが落ち着く。
「お嬢様は、どうですか?」
穏やかに微笑むナタリーさんの瞳には、深い理解と信頼が宿っている。
「えっと……」
少し考えてから、正直な気持ちを口にする。
「正直、私の想像していたご令嬢とは全く違っていました。
破天荒でパワフルで、でもとても一生懸命な方です。
他の使用人に対しても、私に対しても気を遣ってくださる、素敵な方だと思います」
ナタリーさんは微笑み、少しだけ目を細めた。
「そうですか、そう感じてくれて私も嬉しいわ。
ただね、涼しい顔をして何なくこなしているように見えるけれど、そうじゃないのよ」
その言葉に、ユウリはハッとした。
一見順調そうに見える裏で、ティアナお嬢様がどれほど努力しているか――まだまだ知らないことがあるのだと実感する。
「あら、だいぶ話をしてしまったわね。
少し、ついてきてくれる?」
ナタリーさんの後について行くと、図書室に到着した。
まだ灯りがついている。
もう遅い時間のはずなのに…