夜明けが世界を染めるころ
「とりあえず」
殿下は、空を仰ぐように息をついた。
「魔女の雫は大方破壊した。
蝶の会も、当分は開かれないだろう」
薔薇の香りが、風に流れる。
「……少しは、猶予ができたということですね」
「ああ」
殿下は頷く。
「その間に。
計画を詰めていこう」
言葉は軽いのに、その目は真剣だった。
「そして――君の“共鳴”についてもだ」
私は、自然と背筋を伸ばす。
「もっと知る必要がある。私自身も、もう少し探ってみるつもりだ」
「はい」
迷いはなかった。
「私も、調べてみます」
一瞬の沈黙。
殿下は、ふっと笑った。
「その前に…一つだけ、やらなければならないことがある」
「……何ですか?」
殿下は、私を見る。
「盟約だ」
その言葉に、胸がわずかにざわつく。
「盟約……」
「安心してくれ」
すぐに付け加える。
「今すぐじゃない。それは、また別の日にしよう」
薔薇の葉が、かさりと音を立てた。
約束でも、誓いでもない。
けれど――
確かに、逃げ道のない言葉だった。
私は、静かに頷く。
「……わかりました」
その瞬間、
ガーデンに漂っていた空気が、ほんの少しだけ変わった。
殿下は、空を仰ぐように息をついた。
「魔女の雫は大方破壊した。
蝶の会も、当分は開かれないだろう」
薔薇の香りが、風に流れる。
「……少しは、猶予ができたということですね」
「ああ」
殿下は頷く。
「その間に。
計画を詰めていこう」
言葉は軽いのに、その目は真剣だった。
「そして――君の“共鳴”についてもだ」
私は、自然と背筋を伸ばす。
「もっと知る必要がある。私自身も、もう少し探ってみるつもりだ」
「はい」
迷いはなかった。
「私も、調べてみます」
一瞬の沈黙。
殿下は、ふっと笑った。
「その前に…一つだけ、やらなければならないことがある」
「……何ですか?」
殿下は、私を見る。
「盟約だ」
その言葉に、胸がわずかにざわつく。
「盟約……」
「安心してくれ」
すぐに付け加える。
「今すぐじゃない。それは、また別の日にしよう」
薔薇の葉が、かさりと音を立てた。
約束でも、誓いでもない。
けれど――
確かに、逃げ道のない言葉だった。
私は、静かに頷く。
「……わかりました」
その瞬間、
ガーデンに漂っていた空気が、ほんの少しだけ変わった。