夜明けが世界を染めるころ
中庭のベンチは、ちょうど木陰に守られていた。
やわらかな風が葉を揺らし、陽光が細かく地面に落ちている。
「ここ、風が気持ちいいですね」
アレンが嬉しそうに言いながら、背筋を伸ばして座った。
「静かで落ち着くな」
ロベルトは肘を膝に乗せ、空を見上げる。
「ほんとですねー!!」
「……静かにしろと言われた理由が分かるだろう」
セナが小さく言うと、
「えっ、俺うるさいですか!?」
「自覚がないところが問題だ」
「がーん……」
そんなやり取りを聞きながら、私はベンチに深く腰掛けた。
風が頬を撫でる。
体の奥に残っていた緊張が、少しずつほどけていくのが分かった。
(……気持ちいい)
陽だまり。
木の葉の音。
誰かがそばにいる安心感。
ふと、まぶたが重くなる。
「……」
気づけば、視界がゆっくりと滲んでいた。
「お嬢様?」
セナの声が、少し近くなる。
「……ん、大丈夫……」
そう言おうとして、言葉が少し遅れた。
アレンが心配そうに身を乗り出す。
「もしかして……眠いんじゃないですか?」
「……ちょっとだけ」
正直に答えると、3人の視線が一斉に集まった。
ロベルトがやさしく微笑む。
「回復期には、眠気が出るものです」
「そっか……」
私は小さく息を吐いた。
「そろそろ、部屋に戻りましょう」
そう言うと、セナはすぐに立ち上がった。
「賛成です。
これ以上の外出は控えたほうがいい」
「じゃあ俺、付き添います!」
アレンが勢いよく立ち上がる。
「転んだら危ないですから!」
「……だから声が大きい」
「すみません!」
ロベルトはくすりと笑い、私の前にしゃがみ込んだ。
「歩けそうですか?
無理なら肩をお貸ししますよ」
「ううん、歩ける……たぶん」
「“たぶん”が一番危ないんです」
優しい声だった。
私は立ち上がろうとして、少しだけふらつく。
「――っ」
すぐに、両側から支えられた。
片方はセナの静かな腕。
もう片方はロベルトの温かな手。
「ほら、ゆっくりでいいですよ」
「焦らなくて大丈夫です」
アレンは少し後ろを歩きながら、真剣な顔で見守っている。
「……なんだか、護衛が多いね」
そう言うと、
「当然です!」
「お嬢様ですから」
「それが俺たちの役目です」
3人が口々に答えた。
その声を聞きながら、私は小さく笑った。
やわらかな風が葉を揺らし、陽光が細かく地面に落ちている。
「ここ、風が気持ちいいですね」
アレンが嬉しそうに言いながら、背筋を伸ばして座った。
「静かで落ち着くな」
ロベルトは肘を膝に乗せ、空を見上げる。
「ほんとですねー!!」
「……静かにしろと言われた理由が分かるだろう」
セナが小さく言うと、
「えっ、俺うるさいですか!?」
「自覚がないところが問題だ」
「がーん……」
そんなやり取りを聞きながら、私はベンチに深く腰掛けた。
風が頬を撫でる。
体の奥に残っていた緊張が、少しずつほどけていくのが分かった。
(……気持ちいい)
陽だまり。
木の葉の音。
誰かがそばにいる安心感。
ふと、まぶたが重くなる。
「……」
気づけば、視界がゆっくりと滲んでいた。
「お嬢様?」
セナの声が、少し近くなる。
「……ん、大丈夫……」
そう言おうとして、言葉が少し遅れた。
アレンが心配そうに身を乗り出す。
「もしかして……眠いんじゃないですか?」
「……ちょっとだけ」
正直に答えると、3人の視線が一斉に集まった。
ロベルトがやさしく微笑む。
「回復期には、眠気が出るものです」
「そっか……」
私は小さく息を吐いた。
「そろそろ、部屋に戻りましょう」
そう言うと、セナはすぐに立ち上がった。
「賛成です。
これ以上の外出は控えたほうがいい」
「じゃあ俺、付き添います!」
アレンが勢いよく立ち上がる。
「転んだら危ないですから!」
「……だから声が大きい」
「すみません!」
ロベルトはくすりと笑い、私の前にしゃがみ込んだ。
「歩けそうですか?
無理なら肩をお貸ししますよ」
「ううん、歩ける……たぶん」
「“たぶん”が一番危ないんです」
優しい声だった。
私は立ち上がろうとして、少しだけふらつく。
「――っ」
すぐに、両側から支えられた。
片方はセナの静かな腕。
もう片方はロベルトの温かな手。
「ほら、ゆっくりでいいですよ」
「焦らなくて大丈夫です」
アレンは少し後ろを歩きながら、真剣な顔で見守っている。
「……なんだか、護衛が多いね」
そう言うと、
「当然です!」
「お嬢様ですから」
「それが俺たちの役目です」
3人が口々に答えた。
その声を聞きながら、私は小さく笑った。