夜明けが世界を染めるころ
ディラン殿下から受け取った本を抱えていると扉の方から足音が聞こえた。
規則正しく、無駄のない歩き方。セナではない。
「失礼、殿下。そろそろ」
入ってきたのは殿下の直属の護衛騎士 確かオーウェン団長だ。視線が一瞬で私を捉え、値踏みするように鋭く睨みつけてくる。
――まあ、そうなるよね。お忍びで来ていそうな殿下のすぐそばにいれば、怪しまれても仕方がない。
それにしても、睨まなくてもいいじゃない。
「この方は私の友人だ。失礼のないように」
殿下が、はっきりとした口調で告げる。
その一言に、オーウェン団長の表情がわずかに変わった。
「そうとは知らず、失礼致しました」
先ほどとは打って変わって、きちんと頭を下げてくる。切り替えの早さは、さすが王族付きといったところか。
「いえ、お気になさらず」
静かに微笑み返しながら、心の中では別の言葉が浮かぶ。
――だからもう、その殿下を早く連れて帰って。
「それでは、また」
殿下はそう言って軽く微笑むと、護衛騎士たちを伴って書店を後にした。
残された空気が、すっと軽くなるのを感じる。
ようやく、落ち着いて息ができる。
私はは胸の奥に溜まっていた緊張を、静かに吐き出した。
もう少し調べてみるか。
古書店の気になる本を片っ端から見つけてさっと目を通していく。
こんなものか…
「ユウリ」
「はい。こちらお買い上げですね」
ユウリは、手際よく本をまとめてお会計にもっていく。
ちょうど本をまとめたところで書店の扉を開く音がする。
セナだ。
「お待たせしました」
「大丈夫。こっちも用がすんだところだよ」
「本 馬車に持って行きますね」
セナが手際よく本を運んでくれて馬車に乗り込んだ。
規則正しく、無駄のない歩き方。セナではない。
「失礼、殿下。そろそろ」
入ってきたのは殿下の直属の護衛騎士 確かオーウェン団長だ。視線が一瞬で私を捉え、値踏みするように鋭く睨みつけてくる。
――まあ、そうなるよね。お忍びで来ていそうな殿下のすぐそばにいれば、怪しまれても仕方がない。
それにしても、睨まなくてもいいじゃない。
「この方は私の友人だ。失礼のないように」
殿下が、はっきりとした口調で告げる。
その一言に、オーウェン団長の表情がわずかに変わった。
「そうとは知らず、失礼致しました」
先ほどとは打って変わって、きちんと頭を下げてくる。切り替えの早さは、さすが王族付きといったところか。
「いえ、お気になさらず」
静かに微笑み返しながら、心の中では別の言葉が浮かぶ。
――だからもう、その殿下を早く連れて帰って。
「それでは、また」
殿下はそう言って軽く微笑むと、護衛騎士たちを伴って書店を後にした。
残された空気が、すっと軽くなるのを感じる。
ようやく、落ち着いて息ができる。
私はは胸の奥に溜まっていた緊張を、静かに吐き出した。
もう少し調べてみるか。
古書店の気になる本を片っ端から見つけてさっと目を通していく。
こんなものか…
「ユウリ」
「はい。こちらお買い上げですね」
ユウリは、手際よく本をまとめてお会計にもっていく。
ちょうど本をまとめたところで書店の扉を開く音がする。
セナだ。
「お待たせしました」
「大丈夫。こっちも用がすんだところだよ」
「本 馬車に持って行きますね」
セナが手際よく本を運んでくれて馬車に乗り込んだ。