夜明けが世界を染めるころ
「殿下、オーウェン団長殿、御足労いただきましてありがとうございます」
私たちに気づいた蒼紋ラピスラズリ伯爵家の騎士団。どうやら当主の差し金で動く騎士団員のようだ。
一応、息子がやらかさないか監視しているらしいが――
「これは、誰が仕切っているのかな?」
「マルク様です」
意味深に微笑む私。
「嘘をつくというのは、王国不敬罪にあたるよね」
騎士団員はしどろもどろになる。
「し、失礼しました。ティアナお嬢様です」
「そうだろうね」
「あ、あの……」
ますます動揺する騎士団員に、私はさらに問いを重ねる。
「そうだな、正直にちゃんと説明してくれる?」
「は、はい……」
孤児院でのボランティアを進めるにあたり、マルクは騎士団員に丸投げしていた。しかし、予算内で出した案は実行不可能に近く、ここでティアナ嬢の手助けが不可欠だった。
彼女はメニューの改案、孤児院への協力要請、必要な設備の準備、前準備まで完璧にこなしていた――さすがだ。
だからこそ、ティアナ嬢への興味が尽きない。聡明でありながら、決してお人よしではない。
どこかに野望があるような気がして、つい目が離せないのだ。
「このことは、ちゃんと伯爵家の当主に報告するんだよ。マルクではなく、ティアナ嬢の功績としてね」
「はい、もちろんです」
騎士団員はそそくさとお辞儀をして、足早に去っていった。
「話に聞いておりましたが、ティアナ嬢は素晴らしい方のようですね」
オーウェンが珍しく褒める。
「そうだね、とても興味深いよ」
私は自然に微笑みながら応じる。
「オーウェン、せっかく来たから院長に挨拶してくるといい」
「しかし、殿下の側を離れるわけには……」
彼の表情には迷いがある。
「大丈夫、強い騎士団員が今、私に気づいたようだ」
そう告げると、オーウェンもそちらをみる。
「こちらでどうされたのですか?」
銀色の髪に、鋭く切れ長の瞳。鍛え上げられた筋肉の立ち振る舞いから、ただ者ではないことがひと目でわかる。
「やあ、ティアナ嬢の専属騎士の……確か」
「セナです。呼び捨てで構いません」
その落ち着いた声、静かな威圧感。
その立ち振る舞いからして相当強い騎士だ。
「彼と2人で話をしたいからオーウェン少し席を外してくれ」
「しかし」
オーウェンが警戒しながらセナをみる。
「オーウェン何度も言わせるな」
低い声で告げるとオーウェンが頭を下げる。
「わかりました。少し失礼致します」
そういうとオーウェンが施設の方に歩いていくのを確認し、目の前のセナと向き合う。
私たちに気づいた蒼紋ラピスラズリ伯爵家の騎士団。どうやら当主の差し金で動く騎士団員のようだ。
一応、息子がやらかさないか監視しているらしいが――
「これは、誰が仕切っているのかな?」
「マルク様です」
意味深に微笑む私。
「嘘をつくというのは、王国不敬罪にあたるよね」
騎士団員はしどろもどろになる。
「し、失礼しました。ティアナお嬢様です」
「そうだろうね」
「あ、あの……」
ますます動揺する騎士団員に、私はさらに問いを重ねる。
「そうだな、正直にちゃんと説明してくれる?」
「は、はい……」
孤児院でのボランティアを進めるにあたり、マルクは騎士団員に丸投げしていた。しかし、予算内で出した案は実行不可能に近く、ここでティアナ嬢の手助けが不可欠だった。
彼女はメニューの改案、孤児院への協力要請、必要な設備の準備、前準備まで完璧にこなしていた――さすがだ。
だからこそ、ティアナ嬢への興味が尽きない。聡明でありながら、決してお人よしではない。
どこかに野望があるような気がして、つい目が離せないのだ。
「このことは、ちゃんと伯爵家の当主に報告するんだよ。マルクではなく、ティアナ嬢の功績としてね」
「はい、もちろんです」
騎士団員はそそくさとお辞儀をして、足早に去っていった。
「話に聞いておりましたが、ティアナ嬢は素晴らしい方のようですね」
オーウェンが珍しく褒める。
「そうだね、とても興味深いよ」
私は自然に微笑みながら応じる。
「オーウェン、せっかく来たから院長に挨拶してくるといい」
「しかし、殿下の側を離れるわけには……」
彼の表情には迷いがある。
「大丈夫、強い騎士団員が今、私に気づいたようだ」
そう告げると、オーウェンもそちらをみる。
「こちらでどうされたのですか?」
銀色の髪に、鋭く切れ長の瞳。鍛え上げられた筋肉の立ち振る舞いから、ただ者ではないことがひと目でわかる。
「やあ、ティアナ嬢の専属騎士の……確か」
「セナです。呼び捨てで構いません」
その落ち着いた声、静かな威圧感。
その立ち振る舞いからして相当強い騎士だ。
「彼と2人で話をしたいからオーウェン少し席を外してくれ」
「しかし」
オーウェンが警戒しながらセナをみる。
「オーウェン何度も言わせるな」
低い声で告げるとオーウェンが頭を下げる。
「わかりました。少し失礼致します」
そういうとオーウェンが施設の方に歩いていくのを確認し、目の前のセナと向き合う。