もう一度、好きになってもいいですか?

はちみつのように甘い夜

中間テストで、早帰りできた帰り道。

部活がなく、悠翔と心葉、美咲で影を並べて会話の花を咲かせている。


「——でさ! 
 今日うち誰もいないから、泊まりに来ねぇ?」


 悠翔の明るい声に、心葉は耳まで真っ赤になった。


「と、とま……!?」

「いや、みんなで、だけど…そだ、碧も呼んで!」


 慌てて否定する悠翔に、美咲は


「いいね!すごい楽しそう!」


と笑い、心葉も恥ずかしそうに頷いた。

 こうして、四人のお泊まり会が決まったのだった。

***

 夜。
悠翔の家のリビングには、コンビニで買い込んだスナック菓子やジュースが並んでいる。

ソファに腰を下ろすと、悠翔がゲーム機を取り出した。


「じゃあまずはチーム戦な! 男子VS女子!」


「いいよ、負けないから!」美咲が即答する。
「ふふ……美咲、こういうとき本気出すよね」心葉が笑いながらコントローラーを握る。

 ゲームが始まると、美咲は真剣そのもの。

 碧が

「おいおい、そんなに熱くならなくても」

と笑いながら操作するけど、気づけば二人とも夢中でボタンを連打していた。


 結果は——女子チームの勝利。


「やったー! ほらね!」

「くっそー……美咲、容赦ないな」

「碧がのんびりしてるからでしょ!」


 笑い合う二人の横で、そんな微笑ましい光景に、心葉と悠翔は微笑みあう。

そしてーー

 悠翔は少し頬をかきながら


「なあ、心葉。勝ったご褒美に……あーんしてやるよ」


と、ポテチを差し出した。


「えっ……!」


 心葉は顔を真っ赤にしながら、戸惑いつつも口を開ける。
 その様子に碧と美咲は目を丸くして——


「なにそれ! カップル感すごすぎ!」

「俺らの前でやるなよ〜」


 からかわれて、心葉はさらに俯いてしまう。
悠翔は「いいだろ、付き合ってんだから」と笑った。

***

 夜も更けて、布団を敷く時間。

悠翔の部屋は広いけど、四人分となるとやっぱり近い。

女子側に並んで座った美咲は、なんとなく落ち着かない。

(碧がすぐ隣にいる……)

 布団を敷く手を止めた美咲に、碧が「どうした?」と小声で聞いてくる。

 その顔が思ったより近くて、どきりとした。


「な、なんでもない!」

「……そっか」

 碧はそれ以上何も言わずに布団を広げる。
 その自然さが、余計に胸をざわつかせた。

***

 電気を消しても、まだ小声で話が続いた。

 心葉は緊張のせいか、悠翔と少し距離を空けて布団に入っている。
 美咲は隣の碧の気配を感じながら、なかなか眠れなかった。

「なあ、美咲」

 暗闇の中、碧の声が小さく響いた。

「楽しい?」

「……うん。楽しい」

「ならよかった」

 そのやり取りで胸がいっぱいになり、眠れない夜が始まった。
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