ベッドの隣は、昨日と違う人
独白〜スーツを買いに行く日〜
そしてスーツを買いに行く日。
まさか、みいなが付いていくって言うとは思わなかったけど……正直、嬉しかった。
駅で待ち合わせ。
日曜の昼間に、二人きりで会うなんてあったか?
なんだこれ。
ちょっと、デートみたいじゃん。
改札から小走りに駆けてきたみいなは、
平日見るのとは、少し違って見えた。
……可愛い。
やべ。
ナチュラルに「可愛い」とか思い始めてる。
スーツを選んで、パンケーキ屋に向かう途中、
みいなが不意に聞いてきた。
彼女、いるの?って。
彼女なんて、もう一年半くらいいない。
……俺、自分のこと、そんなに話してなかったっけ。
パンケーキを食べながら、今度は
好きな子はいないのかって聞かれた。
「特にいない」
そう答えた瞬間、
自分でも思ったより、声が自然で驚いた。
いない、は事実だ。
誰かを好きだって自覚してる相手はいない。
……でも。
みいなの顔が、
今、目の前にある。
パンケーキを切りながら、
何でもない顔で話を聞いてる、その顔。
「いない」って言ったのは、
考えたからじゃない。
考える前に、口から出た。
ああ、俺――
選択肢から、無意識に誰かを外してる。
それが誰か、
名前をつけるほどの感情じゃないはずなのに。
なのに、
もしここで「いる」と言ったら、
この空気が変わる気がして。
それが、なんだか怖かった。
……特にいない。
もう一度、心の中で繰り返してみる。
嘘じゃない。
でも、全部でもない。
その中途半端さに、
自分だけが気づいてる。
そしてスーツを買いに行く日。
まさか、みいなが付いていくって言うとは思わなかったけど……正直、嬉しかった。
駅で待ち合わせ。
日曜の昼間に、二人きりで会うなんてあったか?
なんだこれ。
ちょっと、デートみたいじゃん。
改札から小走りに駆けてきたみいなは、
平日見るのとは、少し違って見えた。
……可愛い。
やべ。
ナチュラルに「可愛い」とか思い始めてる。
スーツを選んで、パンケーキ屋に向かう途中、
みいなが不意に聞いてきた。
彼女、いるの?って。
彼女なんて、もう一年半くらいいない。
……俺、自分のこと、そんなに話してなかったっけ。
パンケーキを食べながら、今度は
好きな子はいないのかって聞かれた。
「特にいない」
そう答えた瞬間、
自分でも思ったより、声が自然で驚いた。
いない、は事実だ。
誰かを好きだって自覚してる相手はいない。
……でも。
みいなの顔が、
今、目の前にある。
パンケーキを切りながら、
何でもない顔で話を聞いてる、その顔。
「いない」って言ったのは、
考えたからじゃない。
考える前に、口から出た。
ああ、俺――
選択肢から、無意識に誰かを外してる。
それが誰か、
名前をつけるほどの感情じゃないはずなのに。
なのに、
もしここで「いる」と言ったら、
この空気が変わる気がして。
それが、なんだか怖かった。
……特にいない。
もう一度、心の中で繰り返してみる。
嘘じゃない。
でも、全部でもない。
その中途半端さに、
自分だけが気づいてる。