片恋はおわらせるつもりだったのに、強引に囲い込まれて愛されています!?
「――って、私のことはどうでもいいのよ」

 姉が私をじっと見る。

 その目はなにもかもを見透かしている。私の中にある劣等感も、重くなりすぎた恋心も。

「いつまでもうじうじしていたら、だれかに奪われてしまうわよ」

 ため息とともに聞こえた言葉は、大きなお世話だった。

 そもそも、アルスさまは私のものじゃない。だれかに奪われると言うのは語弊がある。

「アルスさまは私の恋人でも、婚約者でもないわ」
「だから、言葉が違うって?」

 うなずくと、姉があきれたような視線をよこしてくる。ちょっとどころか、かなり不快だ。

「そんな些細なことを気にしている暇があるなら、行動したらいいのに」

 それができたら苦労しないし、恋心をここまでこじらせもしていない。

 できないからこじらせていて、苦しんでいるのだ。すぐに言葉にできる姉と私は違うのだ。
< 12 / 20 >

この作品をシェア

pagetop