片恋はおわらせるつもりだったのに、強引に囲い込まれて愛されています!?
「ゆっくりでいいよ。時間はたくさんあるんだから」

 足をぶらぶらさせながら、男の子が私に笑みを向けてくる。

 なんでだろう。彼の笑みを見ていると、焦りが消えていく。先ほどまで混乱していた頭の中が落ち着いていく。

「……人と話すのが、得意ではないのです」

 たっぷり時間を使って出たのは、短い言葉だった。

「私、気持ちが表に出ないらしくて。人を不快にさせてしまうみたいで……」

 言葉を探しながら、ゆっくり口に出していく。男の子はなにも言わずに、黙っていた。

「だから、話さないほうがいいのかなって――」

 視線を忙しなく動かしながら、必死に伝える。

 きちんと伝わっただろうか? 怖くて、彼の顔を見ることができない。

「――そっか」

 風に乗って聞こえたのは、穏やかな声だった。

 彼に顔を向けると、彼は笑っていた。

「キミが悩んでるのはわかった。でもね、俺はそんなに悩むことはないと思うよ」

 明るい声に、私は戸惑う。私の悩みは、彼にとってそんなにちっぽけなものなのだろうか。

「キミが悩んでるのは、人を不快にしたくないから――ってことだよね?」
「は、はい」
「そうやって悩んでるってことは、キミは優しいんだ。素敵な人だよ」
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