片恋はおわらせるつもりだったのに、強引に囲い込まれて愛されています!?
「有名なおうちだね」
「いえ、アルスさまのほうが」
サージェント家は伯爵家だ。家格も歴史も申し分なく、うちなんて足元にも及ばない。
スウェイト家は爵位こそ一つ下だけど、伯爵家と子爵家の間には越えられない壁がある。ここで線引きされることも少なくない。
「サージェント家は伯爵家です。その、うちとは比べ物にならなくて……」
言葉を探して、必死に伝える。
どうしてだろう。アルスさまになら、自分の考えや気持ちを打ち明けることができた。
ほかの人には怖くて言えなかったのに……。
「家名を聞いただけで、爵位がわかるの?」
「すべて暗記しているかと言われると、微妙ですが」
「それでもすごいよ。俺はそういうのさっぱりだから」
アルスさまはあっけらかんと笑う。その笑みに悲観は見えない。
「俺は机に向かうより、身体を動かすほうが好きなんだ。両親や家庭教師たちは嘆くけど、俺は気にしてない」
「……そうなのですか?」
「俺には双子の弟がいて、そっちが家督を継ぐ可能性も全然あるし」
基本的に貴族のおうちは長男が家を継ぐ。娘しかいなかった場合、長女が婿を取るのが常だ。
しかし、男の子の双子の場合は話が別。どちらが家を継ぐのか、話し合って決めるらしい。いつしか本で読んだことがある。
「あいつがいて本当によかったよ。そもそも俺、貴族なんて向いてないし」
「そんなこと、ないと思いますが」
「ううん、貴族特有の腹の探り合いとか、苦手なんだ」
肩をすくめ、彼は笑う。
「いえ、アルスさまのほうが」
サージェント家は伯爵家だ。家格も歴史も申し分なく、うちなんて足元にも及ばない。
スウェイト家は爵位こそ一つ下だけど、伯爵家と子爵家の間には越えられない壁がある。ここで線引きされることも少なくない。
「サージェント家は伯爵家です。その、うちとは比べ物にならなくて……」
言葉を探して、必死に伝える。
どうしてだろう。アルスさまになら、自分の考えや気持ちを打ち明けることができた。
ほかの人には怖くて言えなかったのに……。
「家名を聞いただけで、爵位がわかるの?」
「すべて暗記しているかと言われると、微妙ですが」
「それでもすごいよ。俺はそういうのさっぱりだから」
アルスさまはあっけらかんと笑う。その笑みに悲観は見えない。
「俺は机に向かうより、身体を動かすほうが好きなんだ。両親や家庭教師たちは嘆くけど、俺は気にしてない」
「……そうなのですか?」
「俺には双子の弟がいて、そっちが家督を継ぐ可能性も全然あるし」
基本的に貴族のおうちは長男が家を継ぐ。娘しかいなかった場合、長女が婿を取るのが常だ。
しかし、男の子の双子の場合は話が別。どちらが家を継ぐのか、話し合って決めるらしい。いつしか本で読んだことがある。
「あいつがいて本当によかったよ。そもそも俺、貴族なんて向いてないし」
「そんなこと、ないと思いますが」
「ううん、貴族特有の腹の探り合いとか、苦手なんだ」
肩をすくめ、彼は笑う。