君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
「柑橘系で……よろしいでしょうか」
「ええ、お願い。……母が、あなたに無礼を働いたと彼から聞きました。その節はごめんなさい。それから、縁談を力づくで進めようとしていることも」
相手が誰か、名乗らなくても晴菜には分かっていた。先ほど、晴菜が目元に見覚えがあると感じたのは、勘違いでもなんでもなかったのだ。
彼女は微笑みを崩さず、ゆるりと顔の横の髪を耳にかけていく。
「私も彼と同じ。彼と結婚するつもりなんて、一ミリもありません。想っている人がいます」
さらりと告げる声は、驚くほど静かだった。感情をぶつけるでも、訴えるでもない。
その声音は覚悟を決めた人間のそれに近く、晴菜は思わず一瞬だけ手を止めてしまう。
「……炭酸はお好きですか?」
一瞬の硬直を誤魔化すように、晴菜は必死に口角を上げる。頬の筋肉が強張っているのが自分でもわかった。
「少し苦手。微炭酸があればそちらで」
「承知しました」
晴菜はドイツ製の微炭酸水のボトルに手を伸ばし、ゆっくりとそれを開封する。カウンターに置いたグラスへ淡い液体を注ぐと、真珠のような泡が立ちのぼってすぐに消えた。
穂乃果は晴菜の手元を見つめ、静かに言葉を重ねる。
「ええ、お願い。……母が、あなたに無礼を働いたと彼から聞きました。その節はごめんなさい。それから、縁談を力づくで進めようとしていることも」
相手が誰か、名乗らなくても晴菜には分かっていた。先ほど、晴菜が目元に見覚えがあると感じたのは、勘違いでもなんでもなかったのだ。
彼女は微笑みを崩さず、ゆるりと顔の横の髪を耳にかけていく。
「私も彼と同じ。彼と結婚するつもりなんて、一ミリもありません。想っている人がいます」
さらりと告げる声は、驚くほど静かだった。感情をぶつけるでも、訴えるでもない。
その声音は覚悟を決めた人間のそれに近く、晴菜は思わず一瞬だけ手を止めてしまう。
「……炭酸はお好きですか?」
一瞬の硬直を誤魔化すように、晴菜は必死に口角を上げる。頬の筋肉が強張っているのが自分でもわかった。
「少し苦手。微炭酸があればそちらで」
「承知しました」
晴菜はドイツ製の微炭酸水のボトルに手を伸ばし、ゆっくりとそれを開封する。カウンターに置いたグラスへ淡い液体を注ぐと、真珠のような泡が立ちのぼってすぐに消えた。
穂乃果は晴菜の手元を見つめ、静かに言葉を重ねる。