君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
晴菜はグラスからそっと視線を逸らし、次のオーダーに意識を切り替えた。
* * *
松本から休憩に入れと合図が出たのは、レセプション開始から一時間ほど経った頃だった。
晴菜はバックヤードに下がり、スマホを取り出す。一度溢れ出した思考は、もう止めることができなかった。
ディスプレイのロックを解除しても、最新の通知はなかった。予想通りだ、と、晴菜は心のどこかで呟いた。
メッセージを打ち始める指は、意外なほど冷静だった。
『あなたを支える強さも、すべてを捨てる覚悟も、私にはありませんでした。これ以上、あなたの足枷になりたくない。だから、もう会えません』
感情的な言葉はなるべく削ぎ落とす。守られることに甘えたまま、奏汰の人生を重くする存在にはなりたくないからだ。
それでも、この一文を付け足すか否か、ひどく迷った。
『どうか、幸せになってください。ありがとう』
送信ボタンが、ひどく遠くに見えた。嗚咽が漏れそうになるのを、唇を噛んで堪える。
いつからだっただろう。最初はただ、傷を埋めるためだけに伸ばされた手を取っただけのはずだった。
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松本から休憩に入れと合図が出たのは、レセプション開始から一時間ほど経った頃だった。
晴菜はバックヤードに下がり、スマホを取り出す。一度溢れ出した思考は、もう止めることができなかった。
ディスプレイのロックを解除しても、最新の通知はなかった。予想通りだ、と、晴菜は心のどこかで呟いた。
メッセージを打ち始める指は、意外なほど冷静だった。
『あなたを支える強さも、すべてを捨てる覚悟も、私にはありませんでした。これ以上、あなたの足枷になりたくない。だから、もう会えません』
感情的な言葉はなるべく削ぎ落とす。守られることに甘えたまま、奏汰の人生を重くする存在にはなりたくないからだ。
それでも、この一文を付け足すか否か、ひどく迷った。
『どうか、幸せになってください。ありがとう』
送信ボタンが、ひどく遠くに見えた。嗚咽が漏れそうになるのを、唇を噛んで堪える。
いつからだっただろう。最初はただ、傷を埋めるためだけに伸ばされた手を取っただけのはずだった。