君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
「酒に逃げるのは悪いことじゃない。壊れそうな夜をやり過ごすのに、酒はちゃんと役に立つ」
「……説得力、ありますね」
「言ったろ。長いつきあいだからな。それに、逃げ場所にしちゃ、ここは悪くないだろ。街の灯りが遠くて余計なものが何も入ってこない」
男は微かに笑い、グラスを軽く揺らした。琥珀の液面が照明を受けて、波のようにきらめく。
晴菜もつられてグラスを傾けた。心の奥で疼いていた何かが、少しだけ静まる。
「あなたのおすすめは?」
「そうだな……」
晴菜の問いに、彼は少し考え込むように視線を宙に泳がせたのち、手元のグラスを軽く叩いた。
「スモーキーで、塩気があるやつ。『海の記憶』みたいなやつかな」
その表現に、晴菜は思わず息を呑む。海――それは、すべてを洗い流してくれるような、あたたかな存在だ。
「……私、そういうの好きです」
「知ってる。さっきの選び方で、なんとなくわかった」
口の端に笑みを浮かべた彼は、晴菜をじっと見つめている。優越感に似た何かを含んだ笑みは、なぜか不快ではなかった。
ふと、彼が声を落として囁いた。
「酒の趣味が合う女には、最後まで付き合ってやる主義だ。あんたは?」
低く、甘い言葉に、晴菜の心臓が大きく跳ねた。グラスの中で溶け残った氷のように、胸の奥で冷えた何かがカラン、と音を立てる。
その「最後まで」が何を意味するか――この大人の空間で、濃密な空気感がわからないはずもなかった。
「……説得力、ありますね」
「言ったろ。長いつきあいだからな。それに、逃げ場所にしちゃ、ここは悪くないだろ。街の灯りが遠くて余計なものが何も入ってこない」
男は微かに笑い、グラスを軽く揺らした。琥珀の液面が照明を受けて、波のようにきらめく。
晴菜もつられてグラスを傾けた。心の奥で疼いていた何かが、少しだけ静まる。
「あなたのおすすめは?」
「そうだな……」
晴菜の問いに、彼は少し考え込むように視線を宙に泳がせたのち、手元のグラスを軽く叩いた。
「スモーキーで、塩気があるやつ。『海の記憶』みたいなやつかな」
その表現に、晴菜は思わず息を呑む。海――それは、すべてを洗い流してくれるような、あたたかな存在だ。
「……私、そういうの好きです」
「知ってる。さっきの選び方で、なんとなくわかった」
口の端に笑みを浮かべた彼は、晴菜をじっと見つめている。優越感に似た何かを含んだ笑みは、なぜか不快ではなかった。
ふと、彼が声を落として囁いた。
「酒の趣味が合う女には、最後まで付き合ってやる主義だ。あんたは?」
低く、甘い言葉に、晴菜の心臓が大きく跳ねた。グラスの中で溶け残った氷のように、胸の奥で冷えた何かがカラン、と音を立てる。
その「最後まで」が何を意味するか――この大人の空間で、濃密な空気感がわからないはずもなかった。