君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
第二章 人生に計算外はつきものだとしても
新幹線の窓ガラスを、真夏の強い日差しが焼き付くように照らしていた。
車窓から覗く景色は鮮やかな青葉に満ちている。山々は深い緑に覆われ、夏の雲がその上に重く浮かんでいる。梅雨明け特有の、生命力に満ちた眩しすぎる季節がそこにあった。
晴菜は窓辺から少し体を離し、深く息を吐く。
――もう……二週間になるんだっけ。
彼の低い声、グラスの中で溶けていく氷の音。すべてが遠い過去の出来事のようで、それでいて鮮やかに脳裏に蘇る。
『酒に逃げるのは悪いことじゃない。壊れそうな夜をやり過ごすのに、酒はちゃんと役に立つ』
彼の言葉は、慰めでもなく、説教でもなく、ただ淡々としたものだった。そのある意味平静な口調が、当時の晴菜には妙に心地よく、酔いの心地と相まって、心の棘をそっと包んでくれた。
――これも『逃げ』なのかな……。
叔母の華子から持ちかけられたお見合い。華子は「気楽に行けばいい」と言ってくれた。両親に叔母から縁談がきているからそれを受けたと電話で伝えると、両親――特に父親――は、まるで肩の荷が降りたように笑って言った。
『よかったじゃないか。姉さんの紹介なら間違いないよ。いいご縁があるといいな』
その言葉に、晴菜は曖昧に微笑むしかなかった。康介と別れたことを少しホッとしているような口ぶりだったからだ。
けれど晴菜としては、このお見合いが新しい人生を始めるためのスタートラインなのか、あるいはただの逃避の延長なのか、判別できなかった。
「まもなく、京都。京都に到着いたします」
車窓から覗く景色は鮮やかな青葉に満ちている。山々は深い緑に覆われ、夏の雲がその上に重く浮かんでいる。梅雨明け特有の、生命力に満ちた眩しすぎる季節がそこにあった。
晴菜は窓辺から少し体を離し、深く息を吐く。
――もう……二週間になるんだっけ。
彼の低い声、グラスの中で溶けていく氷の音。すべてが遠い過去の出来事のようで、それでいて鮮やかに脳裏に蘇る。
『酒に逃げるのは悪いことじゃない。壊れそうな夜をやり過ごすのに、酒はちゃんと役に立つ』
彼の言葉は、慰めでもなく、説教でもなく、ただ淡々としたものだった。そのある意味平静な口調が、当時の晴菜には妙に心地よく、酔いの心地と相まって、心の棘をそっと包んでくれた。
――これも『逃げ』なのかな……。
叔母の華子から持ちかけられたお見合い。華子は「気楽に行けばいい」と言ってくれた。両親に叔母から縁談がきているからそれを受けたと電話で伝えると、両親――特に父親――は、まるで肩の荷が降りたように笑って言った。
『よかったじゃないか。姉さんの紹介なら間違いないよ。いいご縁があるといいな』
その言葉に、晴菜は曖昧に微笑むしかなかった。康介と別れたことを少しホッとしているような口ぶりだったからだ。
けれど晴菜としては、このお見合いが新しい人生を始めるためのスタートラインなのか、あるいはただの逃避の延長なのか、判別できなかった。
「まもなく、京都。京都に到着いたします」