君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
 促されるままにミュールを脱ぎ、廊下を進む。シーリングファンがまわるリビングは広々としていた。無垢材の床がひやりとして気持ちいい。リビングの横には小さな和室がしつらえてある。真正面には大きな壁掛けテレビが設置してあり、その前には五人は座れそうな質の良いグレーのソファがあった。
 奏汰が無造作にそのソファの背にジャケットをかけ、テーブル上のエアコンのリモコンへ手を伸ばした。ピッという軽快な音とともに、ひやりとした風が晴菜の頬を撫でる。
 ふと視線を横に向けると、壁際に低い棚が造り付けられていた。整然と並ぶ一升瓶や四合瓶に、晴菜は目を瞠った。この光景は、さながらバーのカウンター内のようだ。

「……すごい」

 ぽつりと漏らすと、奏汰がしゅるりとネクタイを解いていく。

「試作品もあるが、ほぼうちの酒だ。ここはよく親父と兄貴が宴会に使っててな」
「なんか、バーみたい」
「よく言われる」
 
 低い声が耳元で響く。彼の熱い息が首筋にかかり、晴菜はびくりと肩を震わせた。

「……っ」
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