君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
奏汰が低く名を呼ぶ。その声音には、隠し切れない露骨な警戒が滲んでいた。晴菜を庇うようにして、わずかに身体を前に出す。
「時東家へ嫁がれた方が、何の御用です」
「あら。確かに私は時東に嫁ぎましたけれども、亡くなった父の墓参りくらいはしますわよ。彼岸も近いですし。それに、実家が恋しくなることもありますもの」
麗奈と呼ばれた女性は、手に持った扇子を弄びながら優雅に室内へと歩みを進めた。
「……そうでしたか。それは失礼いたしました」
「弟の稔から視察が終わったと聞きましたから、少しお話に参りましたの」
麗奈はそう言って晴菜へと視線を移した。値踏みするような、遠慮のない冷たい瞳だった。
「こちらは?」
「俺の恋人です」
奏汰の力強い返答に、麗奈は「まぁ」と短く吐息を漏らした。麗奈は奏汰に半分隠れるような形の晴菜を、品定めするように頭の先から爪先まで見据えていく。その視線は、まるで綺麗な庭園に紛れ込んだ虫でも見るかのような、蔑んだものだった。
「兄も公認の上、見合いでご縁をいただきました。京都の歴史のある酒屋のご親戚です」
奏汰はやけに『公認』という言葉を強調したように感じられた。晴菜には奏汰のその意図が掴めず、彼と麗奈を交互に見遣るしか出来なかった。
彼の言葉に、麗奈はあからさまに眉をひそめて大きくため息を吐いた。
「奏汰、あなた何を考えているの? わたくしの娘との婚約のお話は?」
詰問とも言える麗奈の口ぶりに、一瞬、晴菜の世界が傾いた気がした。
「時東家へ嫁がれた方が、何の御用です」
「あら。確かに私は時東に嫁ぎましたけれども、亡くなった父の墓参りくらいはしますわよ。彼岸も近いですし。それに、実家が恋しくなることもありますもの」
麗奈と呼ばれた女性は、手に持った扇子を弄びながら優雅に室内へと歩みを進めた。
「……そうでしたか。それは失礼いたしました」
「弟の稔から視察が終わったと聞きましたから、少しお話に参りましたの」
麗奈はそう言って晴菜へと視線を移した。値踏みするような、遠慮のない冷たい瞳だった。
「こちらは?」
「俺の恋人です」
奏汰の力強い返答に、麗奈は「まぁ」と短く吐息を漏らした。麗奈は奏汰に半分隠れるような形の晴菜を、品定めするように頭の先から爪先まで見据えていく。その視線は、まるで綺麗な庭園に紛れ込んだ虫でも見るかのような、蔑んだものだった。
「兄も公認の上、見合いでご縁をいただきました。京都の歴史のある酒屋のご親戚です」
奏汰はやけに『公認』という言葉を強調したように感じられた。晴菜には奏汰のその意図が掴めず、彼と麗奈を交互に見遣るしか出来なかった。
彼の言葉に、麗奈はあからさまに眉をひそめて大きくため息を吐いた。
「奏汰、あなた何を考えているの? わたくしの娘との婚約のお話は?」
詰問とも言える麗奈の口ぶりに、一瞬、晴菜の世界が傾いた気がした。