君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
そもそも対等ではない世界で、唯一対等になれる瞬間が、『酒を飲み交わす瞬間』だった。鎌倉のバーしかり、あの鮨屋しかり。
ただ――それだけなのだ。
「俺の方こそ、嫌な思いをさせてすまなかった」
「……」
思いがけない言葉に、晴菜は息を詰めた。彼から謝られる理由が分からなかったからだ。
「高坂は少し家族関係がややこしい。あの人は高坂の先代の前の奥さんとの子で、稔さんは歳の離れた後妻さんの子。稔さんとあの人は年齢差が一回り以上ある。で、先代と前の奥さんはあの人しか恵まれなかった、故に最初はあの人が高坂の跡取りになる予定だった」
「え……」
思わず漏れた声に、奏汰は小さく息を吐いた。
「でも、そのあと稔さんが生まれて状況が変わった。先代も、蔵の人間も、稔さんを跡取りにしたがった。結果、あの人は外に出された」
淡々とした口調だったものの、それがかえって長年積もった軋轢の深さを際立たせるようだった。
幼いころから跡取りだと言い聞かせられ、それが突然、手のひらを返すように奪われる。簡単に言えば麗奈も家柄に翻弄された身ではあるのだ。
「だから……」
「そう。だから、『家』に対する執着が強い。自分が正しかった、自分の方が稔さんよりも高坂にとって利用価値があったって証明してぇんだろ」
前を見据えたまま、奏汰は自嘲気味に鼻先で笑った。
ただ――それだけなのだ。
「俺の方こそ、嫌な思いをさせてすまなかった」
「……」
思いがけない言葉に、晴菜は息を詰めた。彼から謝られる理由が分からなかったからだ。
「高坂は少し家族関係がややこしい。あの人は高坂の先代の前の奥さんとの子で、稔さんは歳の離れた後妻さんの子。稔さんとあの人は年齢差が一回り以上ある。で、先代と前の奥さんはあの人しか恵まれなかった、故に最初はあの人が高坂の跡取りになる予定だった」
「え……」
思わず漏れた声に、奏汰は小さく息を吐いた。
「でも、そのあと稔さんが生まれて状況が変わった。先代も、蔵の人間も、稔さんを跡取りにしたがった。結果、あの人は外に出された」
淡々とした口調だったものの、それがかえって長年積もった軋轢の深さを際立たせるようだった。
幼いころから跡取りだと言い聞かせられ、それが突然、手のひらを返すように奪われる。簡単に言えば麗奈も家柄に翻弄された身ではあるのだ。
「だから……」
「そう。だから、『家』に対する執着が強い。自分が正しかった、自分の方が稔さんよりも高坂にとって利用価値があったって証明してぇんだろ」
前を見据えたまま、奏汰は自嘲気味に鼻先で笑った。