君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
チェックインを済ませた部屋は、白を基調としたやわらかな空間だった。
レースカーテンを開けると、窓の向こうには水平線が広がっていた。茜色の空と海の境界が、ゆるやかに溶け合って混ざり合っていく。
「きれい……」
今日何度目かの言葉が、空虚にこぼれた。その瞬間、なぜか晴菜の胸が強く痛んだ。この美しい景色を、康介と二人で見たかった。そんな詮ない思考が頭を巡る。彼と見た景色は、いつも薄暗いライブハウスの楽屋か、彼が金を気にせず買ってくる高級な酒瓶が積まれた彼の部屋ばかりだった。
「……は~~……」
晴菜はベッドの上に倒れ込むように身体を投げ出した。天井の貝の形をした照明が、ゆっくり回って見える。
――このまま……寝ちゃいたい。
そんな淡い願いを抱きながらも、心は静かに疼いていた。部屋の静けさが、逆に晴菜の心を締め付けていくようで――息が詰まるような錯覚を覚えてしまう。
音がほしい。人の声が聞きたい。
何でもいい、何かに紛れたかった。
そんな衝動に背を押されるように、晴菜は再び身体を起こす。
「……」
ふと、テーブルに置いてあった黒い布張りの館内案内が目に入った。表紙を捲ると、「バー&ラウンジ《Seaside》」の文字が視界に飛び込んでくる。宿泊者が利用する場合の代金は、チェックアウトの時で構わないらしい。身一つのまま行けるのは、今の晴菜にとってひどく魅力的だった。
「もう……飲まなきゃやってらんない……」
晴菜は額を抑えながら誰に聞かせるでもなくそう呟き、カードキーだけを手に持って部屋を出た。
レースカーテンを開けると、窓の向こうには水平線が広がっていた。茜色の空と海の境界が、ゆるやかに溶け合って混ざり合っていく。
「きれい……」
今日何度目かの言葉が、空虚にこぼれた。その瞬間、なぜか晴菜の胸が強く痛んだ。この美しい景色を、康介と二人で見たかった。そんな詮ない思考が頭を巡る。彼と見た景色は、いつも薄暗いライブハウスの楽屋か、彼が金を気にせず買ってくる高級な酒瓶が積まれた彼の部屋ばかりだった。
「……は~~……」
晴菜はベッドの上に倒れ込むように身体を投げ出した。天井の貝の形をした照明が、ゆっくり回って見える。
――このまま……寝ちゃいたい。
そんな淡い願いを抱きながらも、心は静かに疼いていた。部屋の静けさが、逆に晴菜の心を締め付けていくようで――息が詰まるような錯覚を覚えてしまう。
音がほしい。人の声が聞きたい。
何でもいい、何かに紛れたかった。
そんな衝動に背を押されるように、晴菜は再び身体を起こす。
「……」
ふと、テーブルに置いてあった黒い布張りの館内案内が目に入った。表紙を捲ると、「バー&ラウンジ《Seaside》」の文字が視界に飛び込んでくる。宿泊者が利用する場合の代金は、チェックアウトの時で構わないらしい。身一つのまま行けるのは、今の晴菜にとってひどく魅力的だった。
「もう……飲まなきゃやってらんない……」
晴菜は額を抑えながら誰に聞かせるでもなくそう呟き、カードキーだけを手に持って部屋を出た。