後片付けは綺麗に

プロローグ

 昼は閑散。夜は人で賑わう。

そんな街はここ、「春街(はるまち)」にあります。

春街に足を踏み入れば、毎晩お気に入りの女と飲み会や触れ合いができる。

人肌が恋しいと思うなら、すぐにでも行った方がいい。

しかし、春街での規則を一つでも破ってしまえば、もう誰も手を差し伸べてくれる人はいない。

それほど、「春街」は厳しい街なのだ。

 そんな街には、毎晩好きでもない男と夜を過ごす女たちがいた。

彼女たちの中には「三代美女」と呼ばれる、春街に通う人たちに知らない人はいないほどの美女がいた。

そのうちの一人、可愛らしい目を持ち、その日の気分や人によって甘え度が変わる猫のような女がいた。

彼女と目が合うだけで、男たちは惚れ込み、金を使った。

そんな女が、ある日を境に次々と事件に巻き込まれていった。

同僚や楼主たちは「彼女が犯人だ」と思うが、誰も責めない。何も言わなかった。

事件が起こっても、彼女の人気は落ちない。

寧ろ上がるばかりだ。

その違和感に気づいた一人の推理小説家と、その弟子が探偵でもないのに事件解決に立ち向かう。
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