【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

私の想い

一人で電車に揺られ、帰る道のり。

前までこれが当たり前の日常だった。

仕事をして残業して、理不尽に耐えて、波風立てず目の前にあることをこなす。

そして空っぽな心と気怠い体を引きずって歩く。

一人で暮らす、一人で過ごす。

気楽だけど少し寂しくて、世の中に置いて行かれているようで。

電車の窓の外の住宅街の夜景を眺めていると、スマホにメッセージがきた。

『七海さん、今日は迷惑かけてすみませんでした。気をつけて帰ってください』

──勇凛くん

君に出会わなければ、今ごろ私はどうしていただろう。

結局不満を溜め込みながらあの会社を続けていたかな。

転職して、その先で別の人生があったかな。

君に出会って何もかも変わったよ。

忘れていた大切な気持ちをたくさんくれた。

人を愛することを知ることができた。

守りたいと本気で思える。

突きつけられた現実に挫けそうになったけど、出会ったことに後悔なんて一度もしたことがない。

むしろ出会えてよかったよ。

入院したあの日

『七海さんとなら、うまくやっていけると思うんです。これからずっと』

って言ってくれた。

あの時は全く想像もできなかった。

でも、今ならはっきりと言える。

勇凛くんとなら何があっても私はずっと一緒に歩んでいける。

どんなに大変でも頑張れる。

君は私と恋がしたいと言った。

私も君に恋をした。

その気持ちは絆になって、愛になって、私は君に永遠を誓える。

年下でも頼りなくても、誰がなんと言おうと、私は君のことが世界で一番大切だよ。


私はそのあと、実家の母にメッセージを送った。

『約束通り、土曜日に連れて行くね』

そして電車から駅のホームに降りた。
< 162 / 193 >

この作品をシェア

pagetop