【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
二人でバスに乗って病院に到着。

病棟受付で名前を告げて、病棟入口の前でしばらく待つと──

病棟の自動ドアが開き母が出てきた。

「あ、お母さん!お父さんどう?」

母は私を完全に無視して勇凛くんを見ている。

「七海の母です。こんなところまですみません」

勇凛くんに頭を下げている。

「いえ、入院中にすみません」

勇凛くんも頭を下げている。

そのあと、父の病室に案内された。

病室のカーテンの向こうには、点滴をしている父がいた。

「お父さん、体調どう?連れてきたよ」

父は身構えていた。

「ああ。もうすぐ退院できる」

勇凛くんがそっと入ると、驚いていた。

「初めまして、林勇凛と申します」

勇凛くんが頭を下げた。

「え……あ……君いくつ?」

お父さんいきなり失礼すぎる!!

「二十二です」

お母さんも驚いている。

「七海と八歳も離れてるの!?」

うーん、これは想像できてたけど。

「何があったの??」

「え、結婚したいなって思って結婚しただけだよ」

やや事実を誤魔化す。

「え?職場の人って言ってかかった?」

う……

「ごめん……実は、勇凛くんは大学生なの」

唖然としている両親。

「え、学生と結婚したの!?」

「うん……」

「相手のご両親は大丈夫なの!?」

「実はまだ挨拶できてなくて……」

「こっちより先にそっち行きないよ!」

母が焦っている。

「いえ、僕は先にご挨拶したかったです」

勇凛くんが、いつもより逞しく見えた。

「まだ学生ですが、七海さんと一緒にいたくて、僕が無理を言ったんです」

勇凛くん──

初めて会った日のことを思い出した。

居酒屋から出たら勇凛くんに話しかけられて、告白されて。

「そうか……。しっかりしてる子だな。これからよろしく。勇凛くん」

父は穏やかな顔で言った。

「はい、よろしくお願いします」

勇凛くんが頭を下げた。

「ところで二人は結婚式はするの?」

母が尋ねる。

「まだ決めてないよ」

「そう。じゃあ決まったら教えてね」


──と、あっさり終わった挨拶。

病棟から母と一緒に出ると……

「あ!七海と、“勇凛くん”だ!」


姉ちゃんがいた。
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