【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「私は社長をしているが、もう身を引こうと思う」

「え……?」

勇凛くんが目を見開いた。

「この会社の社長に相応しいのは勇輝だ。……ただそれは勇輝を縛りたい訳ではない。私なりの勇輝への償いだ」

社長はそのあと、勇凛くんの肩を叩いた。

「あまり今まで一緒にいられなかったな。でも立派に育って、結婚して安心した」

その表情は、親として子に向けられた、愛情のように感じた。

そして私と勇凛くんは部屋を出た。

エレベーターに乗って、二人で帰ろうと思った時──

「七海さん、すみません、もう一度父と話したいです。今日は送れないです」

勇凛くん……。

「いいよ。沢山話してきて」

「ありがとうございます!」

勇凛くんは途中の階で降りて、また社長室に向かった。

私はそのまま帰ろうと思い、ビルから出ようとしたら──

「おい」

この声は……。

勇輝さんがエントランスに立っていた。

「お疲れ様です」

ちょうど帰ろうとしていた様子だった。

「父と会ったのか?」

「……はい」

「そうか」

き、気まずい……。

「今から時間をもらっていいか?」

「え?」

「そんなに時間は取らせない、ついて来い」

──な、なに??
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