【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
午前中の会議が終わり、私が会議室を片付けていると勇輝さんが来た。

「話したいことがある」

「なんでしょうか?」

「これから会社の体制が変わる。秘書課の人員配置も変える。何人かまた社員を戻す」

それは……

「認めてくれたってことですか!?」

「それとこれは話は別だ」

冷静な男だ。
そうか、社長になる……のか。

「勇輝さん、社長になったらもっと忙しくなりそうですね。体調気をつけてくださいね」

「は?」

凍てつくような視線で睨まれた。

「失礼しました……」

今は仕事中。
馴れ馴れしかった。

「私が忙しくなれば君も忙しくなるな」

「……私続投なんですね」

「まだ君の力量をちゃんと測れてないからな」

そう告げると彼は会議室から去った。

たぶん、認めるなんて一生言われないだろう。

ただ、クビにならなかったってことが、私がここに存在していい証明なのだろうか。

──それより

今日は勇凛くんが会社にいる日。

私はずっと我慢していた。
でも今なら……

私は勇凛くんが研修しているフロアに行った。
そして、勇凛くんがいる部署を覗く。

スーツを着た勇凛くんが、先輩社員と真剣に話している。

あああああ
尊い。

これだけ見られれば私はここで生きていける。

「何してるんだよ」

背後から声をかけられた。

「わ!森川さん……?」

たった一週間かそこらで、もうすっかりここの社員ですオーラが放たれている。
確かに森川さんがいると、安心する。

「ちょっと栄養補給を」

「自分の夫でか……。変な夫婦だな」

「いいんですこれで!」

そんな毎日見てる訳でもないし。

「じゃあこれからもほどほどに頑張ってね、社長秘書サン」

森川さんが私の頭にポンと触れた。

森川さんは勇凛くんの方へ向かって、何か説明している。
そんな姿を眺められる今をとても幸せに感じた。
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