【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
──休憩時間

廊下に行くと彼女が心配そうな顔をしてスマホを見ている。

なんとなくわかる。
“勇凛くん”だな。

こっそり覗いてみると──

『勇凛くん大丈夫??』
『大丈夫です。覚えることが多いですが、頑張ります』

・・・仲がいいことで。

「母親みたいだな」

「わ!プライバシーの侵害ですよ!」

俺に恋愛感情なんて微塵もない既婚の女のために、俺は何をこんな頑張っているんだか。

──そして

「なんかあったら連絡して。俺はまだかかるけど、繋がりはあるからさ」

「はい……。ありがとうございます。心強いです」

心強い、か。
この時、不思議とこの言葉が嫌ではなかった。

「じゃあ、またあそこで……」

彼女はこの会社を去って、林ホールディングスの社員になった。

彼女のいなくなったオフィスは、何の変哲もないただの空間になった。

一刻も早く行きたい。

きっとまた困っている。

はやる気持ちを押さえて、最終出勤日に近づいていたある日──

「七海ちゃん、出張で福岡行くんだけどさ、俺もついて行こうと思うんだよね」

遊び帰りの車中で言われた。

「え、いつですか?」

「明日」

明日!?

明日もやらないといけないことが沢山ある。

でもこの人を野放しにするのはまずい。

──翌日

悩みに悩んだ末、有休をつかって福岡に向かった。

俺はどうかしている。
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