【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「森川くん、今日ご飯食べに行こうよー!」

仕事が終わると突然また勇哉さんが現れた。

「はい、いいですよ」

今日はどこに連れて行かれるんだか。

「あー勇凛、お前も来ていいよ」

「はい?」

勇凛くんが驚いている。

この子も?

「勇凛来ないと七海ちゃん来ないからさ」

川崎さんも呼ぶのかよ。

そのメンツでご飯って、色々気まずい。

何考えているんだこの人。

「じゃあ七海ちゃんとエントランスで待ち合わせてるから、行こー」

断りたい……。

しかし、三人にするのは嫌な予感がする。

ついて行くことにした。

◇ ◇ ◇

勇哉さんに連れて行かれたのは高級焼肉店。

「俺の奢りだから好きなだけ食べて〜」

「じゃあ私注文します!!」

川崎さんもたぶん嫌だろう。

勇凛くんがいるから仕方なく来ているのかもしれない。

川崎さん以外でビールを注文して乾杯をする。

少し雑談をした後、勇哉さんがスマホ画面を見せてきた。

「俺の結婚式の式場見て、広すぎない?何人呼ぶんだよっていう」

「相手はどんな方なんですか?」

「取引先の社長の孫。可愛いんだけどね〜なんかそれだけなんだよね〜」

勇哉さんの表情が、やや険しくなっているのを感じた。

「七海さん他に注文しますか?」

「じゃあコレ頼もうかな」

「見せつけてくんなよ」

八つ当たりが始まった。

「何そのお揃いの指輪。嫌がらせ?」

やばい。これは離すのが無難。

「勇哉さん、よければこの後またあの店行きましょうよ」

「いいね〜!あそこ女の子ノリいいから好き〜」

よし。これでどうにかなる。

「なんかでも虚しいわ」

また元に戻った。

「森川くんも七海ちゃん好きなくせに何強がってるんだよ」

──なんでここで言うんだよ。

「俺は、別に彼女とどうにかなりたいわけじゃないので」

公開処刑だ。

「兄さんもうやめてください……」

勇凛くんがつぶやいた。

顔を見ると、様子が変だ。

酔っている。

かなり。

ジョッキ一杯くらいだぞ。

「七海は俺の妻です!いい加減にしてください!」

七海って。

そう呼んでいるのか普段は。

凹んだ。

「……七海の可愛いところ知っているのも俺だけだ」

一番聞きたくない話だった。

川崎さんは俯いて顔を押さえている。

「へー俺も見たーい。今度お願いしよ〜」

「は?」

もうダメだこの二人。

俺も……。

「もう出ようか」
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